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西部劇

<2000年代の西部劇>制作年降順
アパルーサの決闘  3時10分、決断のとき  ジェシー・ジェームズの暗殺  トレマーズ4  ワイルド・レンジ 最後の銃撃  アメリカン・アウトロー  シャンハイ・ヌーン

アパルーサの決闘 Appaloosa
2008年 アメリカ  115分 日本未公開
監督:エド・ハリス
原作:ロバート・B・パーカー「アパルーサの決闘
出演:ヴァージル・コール(エド・ハリス)、エヴェレット・ヒッチ(ヴィゴ・モーテンセン)、アリー・フレンチ(レニー・ゼルウィガー)、ランドール・ブ ラッグ(ジェレミー・アイアンズ)、オルソン(ティモシー・スポール)、リング・シェルトン(ランス・ヘンリクセン)、アブナー・レインズ(トム・ボウ アー)、アール・メイ(ジェームズ・ギャモン)、ケイティ(アリアドナ・ギル)、ホイットフィールド(ガブリエル・マランツ)
ロバート・B・パーカーの同名の西部小説を、エド・ハリスが監督・主演した西部劇。
日本では公開しないので、英語版のDVDを見た。
保安官を殺し、傍若無人にふるまう牧場主ブラッグ。アパルーサの町の人々は、名うてのガンマン、ヴァージル・コールとその相棒エヴェレットを保安官及び保 安官助手として雇い、ブラッグに対抗させる。両者の対立を軸に、未亡人アリーをめぐる三角、四角関係が絡んで、話は、原作に忠実にたんたんと進んでいく。 物静かで地味な映画である。
原作では、ヴァージルの相棒であり、語り手であり、最後には男をみせるエヴェレットがかなり良い役回りであったのだが、映画では、ヒーローとその相棒とい うよりも、ヴァージルとエヴェレットはほぼ同等に扱われ、区別がつかないことはないが、二人の違い、対照的な部分が見えにくい。ヴァージルはもっと派手に ヒーロー然としているというイメージがある。ヴィゴ・モーテンセンのエヴェレットは、たしかに最後のところは良い感じだが、「オーシャン・オブ・ファイ ヤー」のカウボーイ役の方が私は好きだ。
アリーも地味だ。女が1人で西部で生きていくにはしかたないよねと思わせるばかりで、原作から期待した尻軽でしゃあしゃあとしたセクシーな美人とはほど遠 い。
町の外れの荒野にいる、雌たちを従えた雄のアパルーサ種の馬の群れも出てこなかった。折に触れ、ヴァージルは、この馬の群れを眺めるのだが、象徴的で視覚 的なこのイメージがないのは残念だった。アパルーサという種の馬がどんなものなのか見てみたい気持ちもあった。
ということで、悪くはないが、私には薄味過ぎてちょっと物足りなかった。(2009.4)


3時10分、決断のとき 3:10 to Yuma
アメリカ2007年 122分
監督:ジェームズ・ゴールドマン
原作:エルモア・レナード
出演:ベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)、ダン・エヴァンス(クリスチャン・ベイル)、ウィリアム・エヴァンズ(ローガン・レマン)、グレイソン・バ ターフィールド(ダラス・ロバーツ)、チャーリー・プリンス(ベン・フォスター)、バイロン・マッケロイ(ピーター・フォンダ)、エミー・ネルソン(ヴィ ネッサ・ショウ)、ドク・ポッター(アラン・トゥディク)、タッカー(ケヴィン・デュランド)、ウェザース保安官(ルース・レインズ)、アリス・エヴァン ス(グレッチェン・モル)、
1957年の西部劇「決断の3時10分」のリメイク作品。 日本では公開しそうにないということで知人が手に入れた英語版を貸してくれた。できればオリジナルを見てから見たかったのだが、がまんできずこっちを先に見た。英語字幕 つきだったので、聞き取りにくい英語の台詞がわかってよかった部分もある。 (※追記:2009年8月に日本でも公開された。)
現金輸送馬車を襲撃した無法者一味のリーダー、ベン・ウェイドがビスビーの町で逮捕される。
彼はユマ刑務所に送られることになったが、そのためには、彼を駅のある町コンテンションまで護送し、3時10分発ユマ行きの汽車に乗せなければならない。 ウェイドを助け出そうとする一味の襲撃が予想されるため、護送のための人員が集められた。苦しい生活にあえいでいた牧場主ダン・エヴァンスは、200ドルの報酬と引き換えに護衛に加わる。
一行は、エヴァンス、マッケロイ(ピンカートン探偵社と契約している老 バウ ンティ・ハンター)、鉄道会社のバターフィールド、医者のポッター、タッカー(町の資産家の手下でエヴァンスに嫌がらせをしている)、そしてウェイドの面 々。エヴァンスの長男ウィリアムは、家を抜け出して彼らの後を追う。
チャーリーを筆頭とするウェイドの一味は、ボスの奪還をねらっていた。 おとりの馬車に騙された彼らは、一行が馬でコンテンションに向かっていることを知り、追跡を続ける。
連行の旅を通して、ウェイドとエヴァンスのあいだに徐々に築かれていく 関係が興味深い。余裕綽々のウェイドの方が、ぎりぎりでがんばってるエヴァンスよりもより強い好感を抱いているように見える。
そのせいで、チャーリーの立場が微妙になってくる。彼は、かなりあぶな い男で、自分の歯止めのなさをなんとかできるのはウェイドだけだということを理屈でなく直観的に察しているがゆえに、必死でボスを奪い返そうとしているように見える。 そして、その過程ですでに歯止めが効かなくなっている。
クライマックスの直前、コンテンションのホテルで3時10分の汽車を待 つエヴァンスとウェイド。他のメンバーは倒されるか退くかしてエヴァンス一人だけが護衛として残る。ウェイドはエヴァンスに400ドルと引き換えに自分を 解放するようもちかける。緊迫する瞬間である。
そして激しい銃撃戦。チャーリーは、自分が雇った即席の味方をも構わず撃ち殺し、ウェイド救出に向かう。エヴァンスと駅に向かうウェイドは、どう出るか。 オリジナルとは違うらしいが、ラストは見応えがある。14歳の少年ウィリアムが、戦闘に手を貸し、一部始終を目撃するのがまたいい。
冒頭からウェイドが絵を描く場面が何回となく見られる。彼は、ホテルで銃を持って自分を見張るエヴァンスの姿もスケッチするのだが、この絵や、縛り首の歌 (下記参照)など、細部も気が利いている。(2008.1)

唄: They're gonna hung me in the mornin’...before the night is done.They're gonna hung me in the mornin’... I'll never see the sun.(明日になったら俺は吊される、夜が明ける前に。明日になったら俺は吊 される、もう太陽はみられない。)
タッカーが、ウェイドの耳元で嫌みにたっぷりに歌っていた歌。タッカーの死後、ウェイドが自らくちずさんでいるのが、なかなかよい。
引用:Dan Evans: You say one more word, I'll cut you down right here. (ダン・エヴァンス:それ以上しゃべったら、今ここで切り裂くぞ。)
Ben Wade: I like this side of you, Dan.(ベン・ウェイド:おまえのそういうところが好きだよ、ダン。)
野営中、ウェイドがエヴァンスに話しかけ、ダンの妻のアリスを話題に 出し、自分だったらもっとアリスにいい思いをさせてやれるといったことをだらだらしゃべって、エヴァンスを怒らせる。
関連作品:「決断の3時10分」(オリジナルを見ると、オリジナルの台詞が、状況は多少違っていても、こちら の作品でも何度となく使われていることがわかって興味深い。ちなみにオリジナルでは、ウェイドが絵を描く場面や縛り首の歌を歌う場面は、出てこない。)

ジェシー・ジェームズの暗殺 
The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford
2007年 アメリカ 160分
監督:アンドリュー・ドミニク
出演:ジェシー・ジェームズ(ブラッド・ピット)、ロバート・フォード(ケイシー・アフレック)、チャーリー・フォード(サム・ロックウェル)、フラン ク・ジェームズ(サム・シェパード)、ジー・ジェームズ(メアリー=ルイズ・パーカー)、ウッド・ハイト(ジェレミー・レナー)、ディック・リデル(ポー ル・シュナイダー)、エド・ミラー(ギャレット・ディラハント)、マーサ・ボルトン(アリソン・エリオット)、サラー・ハイト(カイリン・シー)、ヘン リー・クレイグ(マイケル・パークス)、ディンバーレイク保安官(テッド・レヴィン)、ドロシー(ズーイー・デシャネル)、エドワード・オケリー(マイケ ル・コープマン)
ジェシー・ジェームズは、アメリカ西部開拓時代のアウトローにして伝説的 なヒーローであり、これまで多くの西部劇に登場している。南北戦争時代はゲリラ活動に参加して北軍と戦い、戦後は強盗団を結成、数々の列車強盗や銀行強盗 を働いたが、義賊として南部の人々から愛されたという。
ジェシーの映画といえば、古くは「地獄への道」「地獄への逆襲」「無法の王者ジェシー・ジェームズ」、及び70〜80年代の「ミネソタ大強盗団」「ロングライダーズ」などが思い浮かぶが、列車強盗、銀行強盗、兄のフランクと仲間となった兄弟たち (ヤンガー兄弟、ミラー兄弟、裏切り者とされるフォード兄弟)、そして額縁を直しているところを背後から撃たれる最期のシーンなどの要素が不可欠だった。
2000年代に入って初のジェシー・ジェームズ映画「アメリカン・アウト ロー」(下記参照)は、軽快で愉快な作品だった。終わり方も明るく、彼の死までは描かれない。よって、有名な額縁直しのシーンが出てこないジェシー映画と なった。
で、本作はといえば、銀行強盗が全く出てこないジェシー映画である。冒頭、美しい森を背景とした列車強盗シーンがあるが、強奪シーンは後にも先にもこれだけ。強盗団において大きな役割を果たしたヤンガー兄弟も出てこない(既に捕まっているか、死んだ後らしい)し、兄のフランクも出番は最初だけである。
多くの時間を割いて描かれるのは、既に世間に名が知れ渡ったジェシー・ ジェームズとその仲間が、逃亡し潜伏する生活を送っているうちに、互いに相手への不信感を募らせ、腹の探り合いをする様子である。正体を隠し家族と暮らす ジェシーは徐々に疑心暗鬼の固まりとなっていき、幼い頃からジェシーに憧れ続けたボブ・フォードは、ジェシーへの思いを複雑に変貌させていく。ジェシーと フォード兄弟の関係はどんどん危うさを増し、やがて額縁のシーンへと続く(本作のジェシーは、傾いた額縁を直すのでなく、埃を払おうとして背を向ける)。
ジェシーを後ろから撃ち殺した時、ボブ・フォードは20歳だった。その後、 彼は、自らジェシーの死の瞬間を劇にし、自分の裏切りシーンを繰り返し舞台の上で演じてみせるのだが、見ている方はなんともやるせない思いを味わう。
アフレックが演じるボブは、冒頭フランクに自分を売り込んでいるシーンか ら、早くもきりっとしない粘着質の性格を醸し出している。次に、ジェシーとの場面で、初めて憧れの人と会って話をする喜びにあふれた表情には若者らしい純 真さが感じられるが、そのぎこちなく上ずったような話し方には以後ずっといらいらさせられる(もちろん、それが狙いでそうしたアフレックの演技は素晴らし いのではある)。
一方、ブラッド・ピットのジェシーは、大物らしい威厳を持っている。いかに もデンジャラスな笑顔がたまらない。
映画全体に漂う暗い雰囲気を若干和らげてくれるのが、女好きのディックの存 在である。強盗の直前、みんなが緊張しているときに女を口説く話をしたり、世話になった家の主人の若妻に手を出して、仲間から追われるはめになったりす る。(ディックを助けるため、ボブが初めて人を射殺するシーンはなかなか印象深い。)ジェシーに連れられて裏切り者とされる仲間の家を訪ねた時、ジェシー が留守番の少年をいきなり襲って脅しつけるのを、唖然として見ているディックはいい。
他にも、フランク(サム・シェパードが渋すぎてやけに年の離れた兄弟に見え てしまうが、実際は4歳違い)、ボブの兄チャーリー、ジェシーの従兄弟ウッド、ちょっとしか出ない女たちなど、俳優はみんなよかった。が、とにかく、非情 に静かで重たい人間ドラマなので、見ていてわくわくはしない。(2008.1)


トレマーズ4

ワイルド・レンジ 最後の銃撃 Open Range
2003年 アメリカ 140分
監督:ケヴィン・コスナー
出演:チャーリー・ウェイト(ケヴィン・コスナー)、ボス・スピアマン(ロバート・デュバル)、バトン(ディエゴ・ルナ)、モーズ(エイブラハム・ベン ルービ)、スー(アネット・ベニング)、パーシー(マイケル・ジェッター)、バクスター(マイケル・ガンボン)、プール保安官(ジェームズ・ルッソ)、バ トラー(キム・コーツ)、マック(ピーター・マクニール)、ラルフ(クリフ・サウンダース)、バーロウ医師(ディーン・マクダモット)
1882年のアメリカ西部。ボスとチャーリーは、十年来、ともに牛を追う仕事をしているカウボーイ。最近や とった若者のモーズはチャーリーを慕っているが、テキサスでボスに拾われた16歳のバトンはことごとく子供扱いされることに不満を持っている。フリー・グ レイザーと呼ばれる牛追いである彼らは、通りかかった土地で牧場主バクスターと対立する。やがて、バクスターの部下の手によって、モーズは射殺され バトンも重傷を負う。町の医者にバトンを預けたボスとチャーリーは、バクスター一派との決闘に赴く。
西部の雄大な自然を背景に、もの静かな男たちの戦いがたんたんと描かれる。監督のケヴィン・コスナーは、こくこくと近づいてくる決闘までの時間をあせらず 丁寧に追い、じわじわと緊迫感を高めていく。いよいよ対決の時がきて、対峙する男たち。チャーリーが電光石火の速さで敵を撃ち抜き、一気に戦いに突入。銃 撃戦が延々と続く中、逃げ腰だった町の男たちも戦いに加わっていく。終始一貫、静かで無骨。 (2005.8)


アメリカン・アウトロー American Outlaws
2001年 アメリカ 95分
監督:レス・メイフィールド
出演:ジェシー・ジェームズ(コリン・ファレル)、フランク・ジェームズ(ガブリエル・マクト)、コール・ヤンガー(スコット・カーン)、ボブ・ヤンガー (ウィル・マコーマック)、ジム・ヤンガー(グレゴリー・スミス)、トム(ナサニエル・アルカン)、クレイル・ミラー(タィ・オニール)、ロニー・パック ウッド(ジョー・スティーヴンス)、ジー・ミムズ(アリ・ラーター)、ドク・ミムズ(ロニー・コックス)、ジェームズ夫人(キャシー・ベイツ)、アラン・ ピンカートン(ティモシー・ダルトン)、ラインズ社長(ハリス・ユーリン)、パーカー(テリー・オクィン)、タッカー老人(エド・ジェルダート)
70年代以降(あるいはそれ以前からか)の西部劇に見られる葛藤や苦悩にまるで頓着しないで作られた暢気で 楽しい最新のジェシー・ジェームズもの。
南北戦争中南軍ゲリラとして戦争に協力、戦後の鉄道会社の横暴なやり方に業を煮やしてジェームズ、ヤンガーの若い兄弟たちが銀行強盗を企てるという設定 は、「地獄への道」「無法の王者ジェシー・ ジェームズ」といった往年のジェシー・ジェームズものと同様。だが、額縁を直すシーンがないということで、一部の西部劇ファンの間で話題になっ た。(ジェシー・ジェームズは、家の中で傾いた額縁を直しているところをかつての仲間のフォード兄弟に後ろから撃たれて死んだと言われる。)
コリン・ファレルがジェシーを好演。危機に陥るたびに笑みを浮かべ、仲間に「笑ってる(He smiles.)」と言わせるパターンが心憎い。ラストの列車脱出シーンはこの上なく痛快である。
ヒロイン、ジーの活躍も見逃せないが、ピンカートン探偵役のティモシー・ダルトンが秀逸。従来の憎まれ役であるピンカートンのイメージを覆し、くせのある 渋い男としてなんとも言えないいい味を出している。
他にも、兄のフランクやヤンガー兄弟をはじめ強盗仲間の一人一人から、母親、ドクター、鉄道会社の憎々しげな社長とその部下、銀行強盗に襲われる町の人々 や強盗中にしつこく銀行に入ろうとする老人に至るまで、それぞれ丁寧に個性をもって描かれていて楽しい。(2004.6)


シャンハイ・ヌーン Shanghai Noon
2000年 アメリカ 110分
監督:トム・デイ
制作総指揮:ジャッキー・チェン
出演:チョン・ウェン(ジャッキー・チェン)、ロイ・オバノン(オーウェン・ウェルソン)、ペペ姫(ルーシー・リュウ)
ジャッキー・チェン主演の西部劇。
1881年、中国、紫禁城から誘拐されたペペ姫を取り戻すため中国政府の一員としてアメリカに渡ったチョ ン・ウェン。
途中列車強盗に遭遇してしまい、仲間とはぐれた彼は単身荒野をさまようはめに。
やがて、仲間に裏切られ砂漠に埋められていた強盗団のボス、ロイ・オバノンをみつけ、二人は協力してペペ姫の救出に向かう。
チョンととぼけた無法者オバノンとのコンビが絶妙。
ジャッキーのカンフー・アクションと西部劇の列車アクションが合体したシーンの登場に、大きな感動を覚えた。(2004.6)

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