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西部劇

<1960年代の西部劇 3>
1968年 血と怒りの河 夕陽に立つ保安官 
1969年 明日に向かって撃て! 国境の彼方に明日はない 砂漠の流れ者 空かける強盗団  マッケンナの黄金 真昼の死闘 勇気ある追跡 夕陽に向かって走れ ワイルドバンチ 

血と怒りの河 Blue
アメリカ 1968年  113分
監督:シルヴィオ・ナリッツァーノ
出演:アズール/ブルー(テレンス・スタンプ)、ジョアン(ジョアンナ・ペティット)、ドク(カール・マルデン)、ジェス(アンソニー・コステロ)、
オルテガ(リカルド・モンタルバン)、ハビエル(カルロス・イースト)、マヌエル(スタチス・ヒアレリス)、アントニオ(ロバート・リプトン)
監督はイタリア人で、邦題も主演もマカロニっぽいが、ユタ州で撮影されたアメリカ映画。西部劇ともマ カロニ・ウェスタンともどこか違う、独特の雰囲気を漂わせて、味わいがある。ロケ地は、モアブというところで、モニュメント・ヴァレーと並び、ジョン・ フォードの西部劇などでよく使われた場所。青い空と赤茶色の岩が美しい。河はコロラド河。
西部開拓時代のメキシコとアメリカ国境近く。両親を亡くし、メキシコ人の盗賊オルテガに育てられた白人の青年アズール(スペイン語で「青」の意)は、首領の息 子の一員として傍若無人にふるまっていた。
が、ある日、国境の河を渡って村を襲撃した際、村の娘ジョアンを襲おうとした義兄弟のマヌエルを撃ち殺してしまう。逃げ遅れたアズールは追っ手の弾を受け て負傷し、ジョアンの家に逃げ込む。
ジョアンと医師である彼女の父は、けがの手当をして彼をかくまう。アズールは、ブルーと英語で呼ばれ、ジョアンらの世話になるうちに、更正を決意する。 が、やがて、居場所をつきとめたオルテガがやってきて、二人は対立する。オルテガは、村を襲うと宣言し、ブルーは村を救うため、リーダーとなって作戦をた て、村人を率いてオルテガ一味を迎え撃つ。
ブロンドに青い目、ものうげで影のある二枚目のガンマンをテレンス・スタンプが好演。ドクとジョアンに助け られながら、初めは名乗ろうとさえせず、なかなか口をきこうとしなかったブルーが、次第に心を開いていく様子は、じんわりとした感動を呼ぶ。ジョアンに恋 する青年ジェスの挑発を冷静に交わしながらも、いざとなると凶暴な一面を見せ、そんな自分にいらだちを覚えるブルーの、複雑な心情が伝わってくる。
育ての親であるオルテガとの対立も、オルテガが親らしい顔をしてみせるだけに、ただの撃ち合いに終わらず、見応えがある。最後の河のシーン、ブルーを助け ようと、村の人たちが河の水をかき分けてより集まっていく遠景のショットは、わすれがたいラストシーンのひとつとなった。 (2009.10)


夕陽に立つ保安官 Support Your Local Sheriff!
1968年 アメリカ 93分
監督:バート・ケネディ
出演:ジェーソン・マッカラー(ジェームズ・ガーナー)、ブルーディ(ジョーン・ハケット)、ダンビー(ウォルター・ブレナン)、ジョー・ダンビー(ブ ルース・ダーン)、オリー(ハリー・モーガン)、ジェイク(ジャック・イーラム)
ジェームズ・ガーナーが、とぼけた保安官を演じる、ユーモアたっぷりの西部劇コメディ。
映画全体におおらかさがあふれていて楽しい。
ヒーローは実は銃の腕はからきしというのがコメディにはお決まりのパターンだが、本作では実際に腕の立つガンマンであるところが目新しい。(2004. 6)


明日に向って撃て! Butch Cassidy and the Sundance kid
1969年 アメリカ 112分
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
主題歌:「雨に濡れても」バート・バカラック作曲、B・J・トーマス唄
出演:ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)、サンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)、エッタ・プレイス(キャサリン・ロス)
実在した西部のアウトロー、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの逃避行を描く。
西部劇ではあるが、どちらかというと都会的でスタイリッシュな青春ドラマ。
ブッチとエッタが自転車にのってはしゃぐシーンが話題となった。恋人のサンダンスでなくブッチであるところがなんともおしゃれだ。
泳げないサンダンスが渓谷から飛び降りるところは愉快だった。
ラスト、追いつめられた二人が次の新天地オーストラリアについて語るくだりは泣ける。(2004. 6)

関連作品:「新・明日に向って撃て!」「ブラックソーン

国境の彼方に明日はない Young Billy Young
1969年 アメリカ 90分
監督:バート・ケネディ
出演:ベン・ケイン(ロバート・ミッチャム)、ビリー・ヤング(ロバート・ウォーカー)、
リリー・ブロイ(アンディー・ディキンソン)、ジェシー・ブーン(デビッド・キャラダイン)、フランク・ブーン(ジョン・アンダーソン)、ジョン・ビーア ン(ジャック・ケリー)
復讐を果たそうとする中年のガンマンと、銃に憧れる若者との対立と友情を、軽快に描く。
マカロニウェスタン全盛時に、「これぞ本家ハリウッドの正当派西部劇」として公開されたらしい。(2004.6)


砂漠の流れ者 The Ballad of Cable Hogue
1969年 アメリカ 122分
監督:サム・ペキンパー
出演:ケーブル・ホーグ(ジェーソン・ロバーズ)、ジョシュア(デビッド・ワーナー)、ヒルディ(ステラ・スティーヴンス)、ボーエン(ストロサー・マー ティン)、タガート(L・Q・ジョーンズ)
駅馬車に変わって自動車が登場するころの西部。
復讐のため、砂漠のまん中の水場で、自分を裏切ったかつての仲間を待ち続ける男ケーブル・ホーグの話。
彼の休憩所経営は、ひたすら粗雑でいい加減でいい。
地味で静かでおかしくてもの哀しい、バラードと呼ぶにふさわしい西部劇。
リバイバルされた時に「ケーブル・ホーグのバラード」と邦題が改題された。(2004.6)


空かける強盗団 The Great Bank Robbery
1969年 アメリカ 97分
監督:ハイ・アヴァーバック
出演:ライダー(キム・ノバク)、ブルー(ゼロ・モステル)、ベン・スミス(クリント・ウォーカー)、キンケード(ジョン・アンダーソン)、スレード(ク ロード・エイキンズ)、ペドロ(エーキム・タミロフ)、ジェブ(エリシャ・クックJr)
西部の町の銀行の大金庫をめぐり、善悪入れ乱れての金の争奪戦が描かれるコメディ・アクション。
キム・ノバクが裸で馬に乗って、最後は気球まで出てくる。
クロード・エイキンズの列車強盗が愉快だったような。(2004.6)


マッケンナの黄金 Mackenna’s Gold
アメリカ 1969年 132分
監督:J・リー・トンプソン
音楽:クインシー・ジョーンズ
歌:"Old Turkey Buzzard" ホセ・フェリシアーノ
出演:マッケンナ(グレゴリー・ペック)、コロラド(オマー・シャリフ)、インガ(カミラ・スパーヴ)、サンチェス(キーナン・ウィン)、ヘシュケ(ジュリー・ニューマー)、ハチタ(テッド・キャシディ)、ベッシュ(ルディ・ディアズ)、モンキー(ロバート・フィリップス)、プレーリードック(エデュアルド・シャネリ)、ティッブス軍曹(テリー・サヴァラス)、
ベン・ベイカー(イーライ・ウォラック)、新聞編集者(リー・J・コッブ)、牧師(レイモンド・マッセイ)、倉庫番(バージェス・メレディス)、アダムス(エドワード・G・ロビンソン)、
アパッチ族に伝わる黄金の谷を求めて、様々な男たちが黄金の争奪戦を繰り広げる。西部を舞台にした宝探し冒険活劇というのが珍しい。
ハドリーバーグの保安官マッケンナは、岩山で老いたアパッチの族長プレーリードックの襲撃を受け、逆に彼を撃って死なせてしまう。マッケンナは、プレーリードックが持っていた黄金の谷の在処を示す地図を目にするが、内容を記憶し、地図は燃やしてしまう。
黄金を得るためプレーリードックを追ってきた無法者のコロラド一味は、マッケンナを捕らえ、黄金の谷へ案内することを強要する。彼らの一味には、アパッチの若者たちも加わっていて、また途中立ち寄った牧場で拉致されてきた判事の娘インガも同行させられていた。やがて、一行に、町の一般市民や外国人旅行者を率いたベン・ベイカーが合流する。その集団には、かつて黄金の谷を目の当たりにしながら、谷を守るアパッチに両目を焼かれて追われたアダムス老人も加わっていた。
大所帯となった一行は、途中出くわした騎兵隊を巻いて谷に向かうが、騎兵隊の一隊は彼らを無法者集団と判断し、待ち伏せをして迎撃する。
この戦闘で、長々と続いていた旅の幾分だらだらした雰囲気は一転、悲惨な戦闘場面が繰り広げられる。無法者も一般市民もなく、一行の面々はばたばたと命を落とす。
マッケンナ、コロラド、インガ、アパッチの若者らが生き残り、黄金の谷に向かう。彼らを追ってきた騎兵隊のティップス軍曹も黄金にとりつかれ、仲間を殺して強引に仲間となる。
彼らは地図の場所にたどり着くが、そこに谷はない。やがて日の出とともに、「震える岩」の影が伸び、黄金の谷の在処を示す・・・。
最後は、大地を揺るがす大スペクタルとなって、驚く。
黄金を探し求める一行が、メキシコ人と白人とアパッチの混成チームなのが珍しい。
オマー・シャリフが、悪党コロラドを好演。悪いやつなのに、陽気で軽口をたたきまくって、黄金を手に入れた後は、パリでおしゃれに暮らすのを夢見ているなど、なかなか愉快である。
凶暴で扇情的なアパッチ女ヘシュケが、マッケンナのことが好きで彼にやたらと迫り、彼といい感じになっているインガに強烈な嫉妬を示すのが怖くておもしろい。
初めから終わりまで舞台は西部。赤茶けた岩と青い空がどこまでも続く雄大な風景をたっぷりと堪能できる。「はげたか」というタイトルの主題歌もいい。(2010.8)


真昼の死闘 Two Mules for Sister Sara
1969年 アメリカ 105分
監督:ドン・シーゲル
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ホーガン(クリント・イーストウッド)、サラ(シャーリー・マクレーン)
流れ者のガンマンとロバに乗った尼僧の珍道中。
メキシコ革命騒ぎに乗じて金儲けを企むホーガンは、フランス軍に追われる尼僧サラとともに革命軍に身を寄せ、フランス軍の列車襲撃を請け負うが……。
イーストウッドとマクレーンの丁々発止が楽しい愉快な西部劇。
軽妙なエンニオ・モリコーネの音楽がとぼけた味を出している。(2004.6)


勇気ある追跡 True Grit
1969年 アメリカ 129分
監督:ヘンリー・ハサウェイ
原作:「トゥルー・グリット(勇気ある追跡)」(ロバート・ポーティス」
出演:ルースター・コグバーン(ジョン・ウェイン)、マティ・ロス(キム・ダービー)、バフ(グレン・キャンベル)、ネッド・ペパー(ロバート・デュヴァ ル)、ムーン(デニス・ホッパー)、クインシー(ジェレミ・スレート)、トム・チェニー(ジェフ・コーリイ)
父親を殺された14才の少女マティは、凄腕の保安官コグバーンに犯人の追跡を依頼する。
口が達者で生意気な彼女に手を焼きながらもコグバーンは犯人を追いつめていく。
カントリー歌手のグレン・キャンベルが主題歌を歌い、二人に同行するテキサスレンジャー隊員バフを演じている。
アイパッチをつけたジョン・ウェインが、馬上で手綱を口にくわえ、右手にライフル、左手に拳銃を持って撃つシーンがかっこいい。
雪の墓場での別れのシーンも印象的。さよならと微笑むマティに、ふり返って手を振るコグバーンのアップで終わったように思う。(2004.6)

関連作品:「トゥルー・グリット」(2010年)

夕陽に向かって走れ Tell Them Willie Boy is Here
1969年 アメリカ 98分
監督:エイブラハム・ボロンスキー
出演:クーパー(ロバート・レッドフォード)、ウィリー・ボーイ(ロバート・ブレイク)、ローラ(キャサリン・ロス)
1909年に実際に起きたインディアンの事件に基づく。
インディアンの青年ウィリーは、結婚を反対した恋人の父親を誤って殺してしまう。彼と恋人のローラは保護区を出て逃亡するが、やがて追跡の手は、容赦なく 二人に伸びてくる。
追跡隊のリーダーとなる保安官クーパーを演じるのは、ロバート・レッドフォード。若い二人のひたむきさに打たれつつも、彼らを追いつめなければならない保 安官の苦悩を、深みのある演技で見せている。苦いけど、いい作品。
(2004.6)

ワイルドバンチ The Wild Bunch
1969年 アメリカ 137分
監督:サム・ペキンパー
出演:パイク(ウィリアム・ホールデン)、ダッチ(アーネスト・ボーグナイン)、ライル(ウォーレン・オーツ)、テクター(ベン・ジョンソン)、サイカス (エドモンド・オブライエン)、エンジェル(ジェイミ・サンチェス)、ソーントン(ロバート・ライアン)、マパッチ将軍(エミリオ・フェルナンデス)
パイクが率いる強盗団”ワイルドバンチ”は、列車を襲撃して武器を奪った。
メキシコ革命軍のマパッチ将軍に 売るためであったが、山賊の首領さながらに非道の限りを尽くすマパッチは、約束を破り、五百もの兵をもってパイクたちに襲いかかる。
強盗団一味の男たちを、骨太に豪快に描く。
”Let's go.""Why not?"という有名な短いやり取りのあと、男たちが最後の戦いに向かう道行きが忘れられない。哀愁を帯びたメキシコ民謡が流れる中、ウォーレン・オーツ のシャツの白さが目にしみる。
全てが終わったあと、廃墟に座り込む元仲間のロバート・ライアンの淋しげな姿も印象的。
しかもさらに、みんなの”大笑い”クレジットというだめ押しが最後の最後に控えていて観る者の涙腺を情容赦なく刺激する。(2003.2)
「早稲田松竹クラシックスVol.91ウエスタン・カーニバル」で再見。
中学生か高校生の頃に初めてテレビで見たが、そのときの印象は薄い。なんとなくパイク(ウィリアム・ホールデン)がかっこいいと思った程度。その後学生時代に東京に出てきて二番館で何度か見た。ライル(ウォーレン・オーツ)がセクシーで白いシャツがたまらないと感じたり、テクター(ベン・ジョンソン)がやっぱ男っぽくていいなと思ったり、ソーントン(ロバート・ライアン)が最後に一人で座っている姿に胸が痛んだりした。ラストの銃撃シーンの迫力とともに、その前の有名すぎる“Let’s go!” “Why not?”のやり取りと西部劇には珍しい四人の男の徒歩の道行きはずっと好きだ。
1997年のリバイバルのときは、子育て真っ最中だったが、なんとか劇場に出かけて行って見た。それまでと違ってボーグナインに一番感情移入した。聞くと、夫や友人らもそういうのだった。クレジットで男たちが大笑いするカットが次々に出てくるのにも、涙腺が緩んでしまった。
最後に見たのがそれで、早17年経ってしまった。今回は、やはりダッチ(ボーグナイン)寄りだったのだが、パイク(ホールデン)とソーントン(ロバート・ライアン)との関係がなかなか興味深かった。ごく短い回想シーンの挿入で、二人がかつて仲間だったこと、追われる身で、ソーントンがやばいから逃げようと言っているのに、パイクは女とベッドにいて大丈夫大丈夫と高をくくっているとこに襲撃に遭って、バイクは逃げおおせて、ソーントンだけ捕まって投獄の憂き目に遭う、という経過が示されるのはすごい。ソーントンが、ホールデンを追うことに執念を燃やすのもよくわかる。最後、すべてが終わって、瓦礫の壁の前にソーントンがションボリと座り込んでいる印象だったが、今回見ると、ちょっと微笑んでいるのだ。パイクとの確執やその死を通り越して、友であったころの彼を思い、にんまりしたのかと思った。彼を新たな活動に誘う、じいさんのサイクス(エドモンド・オブライエン)にも存在感を感じた。(2014.9)

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