みちのわくわくページ

西部劇 イタリアの西部劇

<製作年順>
荒野の用心棒、 荒野の1ドル銀貨、 続・荒野の1ドル銀貨、 夕陽のガンマン、 続・荒野の用心棒、 続・夕陽のガンマン、 情無用のジャンゴ、 真昼の用心棒、 南から来た用心棒、 ウエスタン/ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト、 続・二匹の流れ星、 荒野の大活劇、 五人の軍隊、 夕陽のギャングたち

荒野の用心棒 Per un Pungno di Dollari (The Fistful of Dollars)
1964年イタリア 100分
監督:セルジオ・レオーネ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:クリント・イーストウッド、ジャン・マリア・ヴォロンテ、マリアンネ・コッホ
「おれは真ん中だ」という台詞で有名な「血の収穫」ネタ(対立する二つの組織をぶっつけて共倒れにさせようという話)のマカロニ・ウェスタン。
黒澤明監督の「用心棒」の翻案で、見比べるとおもしろい。日本の田舎の家屋に見られた柴の束がメキシコ風の家の中にも設置されていたり、床下を逃げるとこ ろがサイドウォークの下になっていたり、など、細部までかなり真似をしていることがわかる。
イーストウッドのぎとぎとした男っぽさと、モリコーネの音楽が見事にマッチして、実にかっこいい。(2004.6)


荒野の1ドル銀貨 Un Dollaro Buccato (One Dilver doller)
1965年 イタリア 95分
監督:カルヴィン・J・パジェット
音楽:ジャンニ・フェリオ
出演:ゲーリー・オハラ(ジュリアーノ・ジェンマ)、ジュディ(イブリン・スチュアート)、マッコリー(ピエール・クロス)
ゲーリーは、撃たれたとき、胸ポケットに入っていた1ドル銀貨のおかげで銃弾が止まり死なずにすんだ。彼は、殺された弟の復讐に赴く。
初めて見たマカロニ・ウェスタンで、ひげ面でもジュリアーノ・ジェンマは男前だと思った記憶がある。(2004.6)


続・荒野の1ドル銀貨 IL Ritorno di Ringo (Ringo Rides Again / The Return of Ringo)
1965年 イタリア/スペイン 100分
監督:ドゥッチオ・テッサリ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ジュリアーノ・ジェンマ、ジョージ・マーティン、ロレッラ・デ・ルーカ、アントニオ・カザス、フェルナンド・サンチョ
虐げられた主人公が忍苦の時を経て蘇り、自分を陥れた悪党をやっつける。という定番のお話なのだが、逆境に ある場面があまりにも長く、ジェンマは映画の大半を毛布をまとった小汚い格好で過ごす。
ようやく、ついに、とうとう、軍服姿の彼が戸口に颯爽と逆光で立ったとき、映画の残り時間がほんのわずかしかないことに気づいて驚いた記憶がある。
テレビのカット版だったせいもあると思うが、それでもやっぱりかっこいい場面はだいぶ短かったのではないだろうか。(2004.6)


夕陽のガンマン Per Qualche Dallaro In Piu (For a Few Dollars more)
1965年 イタリア/スペイン 132分
監督:セルジオ・レオーネ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:モンコ(クリント・イーストウッド)、ダグラス・モーティマー大佐(リー・ヴァン・クリーフ)、エル・インディオ(ジャン・マリア・ボロンテ)、ワイルド(クラウス・キンスキー)、モーティマーの妹(ローズマリー・デクスター)
二人の賞金稼ぎの対立と友情を描くマカロニ・ウェスタン。
リー・ヴァン・クリーフが渋い。(2004.6)

DVDですごく久しぶりに見る。ラストのオルゴールのシーン以外はほとんど覚えてないので、ほぼ初めて見るように楽しめた。
リー・ヴァン・クリーフがひたすら渋い。イーストウッドは彼には珍しくけっこうヤンチャだ。
今見ると、インディオがなかなか切ない。あれだけ傍若無人な悪党なのに、惚れた女を手に入れることは叶わず、ずっと写真を持っているとか未練がましくていい。
なんだかもうこの音楽を耳にすると、条件反射的に気持ちが高揚してしまうのだった。(2017.11)

続・荒野の用心棒 Django
1966年 イタリア/スペイン 92分
監督:セルジオ・コルブッチ
出演:ジャンゴ(フランコ・ネロ)、マリア(ロレダナ・ヌシアック)、ウーゴ・ロドリゲス将軍(ホセ・ボダロ)、ナタニエル(アンジェル・アルバレス)、ジャクソン少佐(エドゥアルド・ファヤルド)、ジョナサン神父(ジーノ・ペルーチ)
ぬかるんだ道を主人公のジャンゴが棺桶を引きずって現れる冒頭で完全に心をわしづかみにされた。
ガトリング銃の乱射から十字架を利用した最後の仰ぎ撃ちまで、暗く陰鬱に湿ったマカロニ・ウェスタンの雰囲気は全く途切れることがない。
それがなんでいいのかわからないが、とにかく快感だ(2004.6)

シネマート新宿で上映したので、見に行く。映画館のロビーには、劇場スタッフ手づくりの棺桶が置いてあった。
劇場での鑑賞は初めてで、鐘が鳴って曲が流れ、歌ががんがん響く中、棺桶引きずったジャンゴが登場するシーンを大スクリーンで見る、という幸せに酔いしれた。
つっこみどころは多いが、なんとも勢いがある映画で、終始わくわくしながら楽しんだ。
こんなことを書くと、マカロニファンからは何をいまさらと言われそうだが、今回初めて、ラストでジャンゴが盾にする墓が、死んだ妻か恋人の墓であると気づいた。なぜこの墓を選んだのか、位置的によかったのか、それとも十字架についている金具が銃を支えやすかったのか、と考えているうちに、ひょっとしてこれは、前半出てきた死んだ伴侶の墓なのではないかと気づいたのだった。墓標に記された「メルセデス」という女性名と「186×―188×」という年代が読み取れた。あんな手であんな人数(ちょうど弾の数)を相手に勝てたのは、彼女が力を貸していたからなのだと勝手に解釈して一人うなずくのだった。
この映画はまた、西部劇だろうが、幕末だろうが、近年「あれを出せ」と言えばこれというくらいポピュラーになったガトリング銃を最初に見た映画でもある。今回見たら、ジャンゴは、ハンドルを回していない。大分昔、テレビでみたときも両手で抱えてたような気がするが、その後ガトリング銃はハンドルを回すものだと知ったので、回していたんだろうなと思っていたのだが、今日みたら、やっぱり両手でしっかり抱えていた。二階堂卓也氏による字幕も「ガトリング銃」ではなく「機関銃」となっていた。とSNSに書いたら、詳しい友人が、「多銃身を回転させて連続発射させるのがガトリングガン(「マグニフィセント・セブン」)で、ジャンゴのは外見はマシンガン(「ワイルドバンチ」など)なんですが、銃口が蜂の巣のようになっていて「ジャンゴ・マシンガン」と呼ばれフランスのミトライユーズ砲を参考にしているのではとも言われています」とマニアな回答をくれた。(2020.2)

続・夕陽のガンマン 地獄の決闘
IL BUONO, IL BRUTTO, IL CATTIVO / DA UOMO A UOMO / THE GOOD, THE BAD AND THE UGLY
1966年 イタリア 179分
監督:セルジオ・レオーネ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ジョー/ブロンディ(クリント・イーストウッド)、トゥーコ(イーライ・ウォラック)、セテンサ/エンジェル(リー・ヴァン・クリーフ)、スティーヴンス(アントニオ・カサス)、スティーヴンスの妻(チェロ・アロンゾ)、パブロ・ラミレス神父(トゥーコの兄。ルイジ・ピスティッリ)、ウォレス伍長(マリオ・ブレガ)、アル中の北軍大尉(アルド・ジュフレ)
三人の男たちの虚々実々の駆け引きをユーモアを交えて描いた。
いつにもまして、ひげ面のむっさい男たちのアップが目に付く。
特にラストの三者対峙の場面はかなりしつこい(けなしているわけではない)。(2004.6)

マカロニウエスタンファンドキュメント映画「サッド・ヒルを掘り返せ」に行く前にと思って、「続・夕陽のガンマン」を見直した。
初めて見たのは高校生のころテレビで、そのあとビデオでも見たはずなんだけど、詳しい内容はほとんど覚えていなくて、映画全般も最後の有名な墓場での決闘シーンもやたら長くて、おじさんのドアップがやたら出てくる映画という印象だったのだが、今回見たら、だいぶおもしろかった。あんなに南北戦争ど真ん中の設定だってことも忘れてた。
歳取ったせいもあるのか、ことのほかイーライがよかった、というか、なんだかんだ言ってイーライの映画だと思った。(2019.4)

情け無用のジャンゴ  ORO HONDO / SE SEI VIVO SPARA / DJANGO KILL! IF YOU LIVE SHOOT!
1966年 イタリア・スペイン 116分
監督:ジュリオ・クエスティ
出演:流れ者(トーマス・ミリアン)、ソロ(町のボス。ロベルト・カマルディエル)、ホークス(強盗団のボス。ピエロ・ルリ)、テンプラー(ホテル・バーのオーナー。ミロ・ケサダ)、エヴァン(テンプラーの息子。レイモンド・ラヴロック)、フローリー(テンプラーの愛人。マリル・トロ)、ハ―ゲルマン(フランシスコ・サンス)、エリザベス(ハ―ゲルマンの妻。パトリズィア・バルッツリ)、インディアン二人組、ソロの手下の黒服団
劇場でジャンゴ(「続・荒野の用心棒」)を見た勢いで家人がDVDを借りてきたのでいっしょに見る。
大量の金(きん)を強奪した強盗団が仲間割れを起こし、流れ者の男は殺されかけるが、瀕死のところをインディアンの二人組に助けられる。男は、復讐のために分け前を奪った強盗団一味を追う。
が、一味は、馬を得るために立ち寄った町で、リーダーのホークスを初め、全員が町の男たちによって惨殺される。
普通の復讐ものと思って見ていると、この展開で、なんだか変な映画だと気づく。
殺されたホークス一味の死体は、かなり長いこと町の道路わきに吊るされていて、ことあるごとに画面に入り込む。
町には、ボスであるソロと他の有力者テンプラー、ハーゲルマンらがいる。流れ者の男は、ソロの傘下に潜り込む。やがて、ソロたちは、ホークス一味が持ち込んだ金を奪い合う。
映画の中では、主人公は流れ者とだけ呼ばれ、「ジャンゴ」と呼ばれることは一度もない。ミリアンは、バンダナを頭に巻いて、西部の男というよりは、ヒッピーみたいである。後半はシャツを着ないで、上半身の裸体を見せまくる。
ラブロックが、テンプラーの息子役で登場する。彼はその昔、日本でもチョコフレークのCMで人気の美少年だったが、この映画ではかわいそうな役どころでもあり、あまり精彩が感じられなかった。
ハーゲルマンの部屋に監禁された妻が窓に姿を見せるくだりは、ちょっとホラーっぽい。
つまらなくはないが、おもしろいというよりは変だった。長かった。(2020.2)

真昼の用心棒 Tempo di Massacro (Massacre Time)
1966年 イタリア 93分
監督:ルチオ・フルチ
音楽:ラッロ・ゴーリ、セルジオ・エンドリゴ
出演:フランコ・ネロ、ジュゼッペ・アドバッティ、ニーノ・カステルヌオーヴォ
鞭の多用によるバイオレンス描写、残虐なボス、隠された血縁関係などが入り乱れるこてこてのマカロニ・ウェ スタン。(2004.6)

南からきた用心棒 Arizona Colt
1966年 イタリア/フランス/スペイン 112分
監督:ミケーレ・ルーポ
音楽:フランチェスコ・デ・マージ
出演:アリゾナ・コルト(ジュリアーノ・ジェンマ)、ゴルドー(フェルナンド・サンチョ)
山賊のボスに両手両足を打ち抜かれた男が、復讐に立ち上がる。
アリゾナ・コルトというべたな名前が印象に残る。
主題歌の英語が非常に聴き取りやすかったことも覚えている。
He came out of nowhere with no one beside of him…とかいったような気が。(2004.6)


ウエスタン
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト

C'ERA UNA VOLTA IL WEST
ONCE UPON A TIME IN THE WEST
1968年 イタリア・アメリカ 141分(1969年日本公開時) 165分(オリジナル版2019年日本公開)
監督:セルジオ・レオーネ
原案:セルジオ・レオーネ、ダリオ・アルジェント、ベルナルド・ベルトリッチ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:フランク(ヘンリー・フォンだ)、ジル(クラウディア・カルディナーレ)、ハモニカ(チャールズ・ブロンソン)、モートン(鉄道会社オーナー。ガブリエル・フェルゼッティ)、マクベイン(フランク・ウォルフ)、スネイキー(ジャック・イーラム)、ストーニー(ウディ・ストロード)、サム(パオロ・ストッパ)

1968年に、レオーネ監督がアメリカで撮ったマカロニ・ウエスタン。
タランティーノの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が公開された勢いで、かつての邦題「ウエスタン」ではなく、原題そのままの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト」というタイトルで特別上映されたのを観に行く。
以前ビデオで見たことがあるが、ヘンリー・フォンダの悪役ぶり以外、内容をほとんど覚えていなかったので、初めてみたのと同じようなもので、とてもわくわくした。
「この映画は、ファーストシーンとラストシーン(フランクとハーモニカの決闘シーン)の2つだけが語られてきたように思う。」と、上映後のトークイベントで映画評論家の宇田川幸洋氏がおっしゃっていたが、ファーストシーンがとにかくすごかった。
駅で汽車を待つ3人の男。その中にウディ・ストロードとジャック・イーラムがいる。どちらもアメリカの西部劇でおなじみの顔である。このふたりのドアップがしつこいくらいに繰り返され、たっぷりと時間を取って、汽車の到着が待たれる。線路の向こうのホームに降りるブロンソン。
ぼこぼこの板を敷いただだっ広い駅のホームでの撃ち合いがまた圧巻なのだった。このファーストシーンだけで、映画1本見た気持ちになってしまう。前菜にメインディッシュが出てしまった感じである。
で、町の郊外に住むアイルランド人のマクベイン一家が花嫁(子どもたちにとっては新しいおかあさん)を迎えるためのパーティの準備をしているところに、ヘンリー・フォンダのフランク率いる無法者集団がやってきて殺戮を行う。初めてみたときは、西部劇では心優しきヒーローでお馴染みのフォンダの極悪非情な悪党ぶりに衝撃を受けた。一方、ニューオリンズからやってきた花嫁のジル(カルディナーレ)は西部の駅に降りたつ。夫の家からの迎えを待つが、誰も現れず、彼女は馬車と御者をやとって一人で牧場へ向かうが、そこで待っていたのは、パーティに呼ばれた町の人々の悲痛な表情と、テーブルの上に死体となって横たわるマクベインとその子どもたちだった。
到着するなり未亡人となったジルと、なにかの目的を持って町にやってきたハーモニカを引く謎の男、無法者一味を率いるシャイアン、鉄道を伸ばし西海岸を目指す鉄道会社オーナーで重病を患ているモートンとその用心棒として暗躍するフランク。かれらの思惑がからみあった人間ドラマが、壮大な西部を背景に展開する。
ジェーソン・ロバーズ演じるシャイアンはギトギトの悪漢かと思ったら、なにかと首をつっこんでくる気のいい無法者だった。
フランクとハーモニカの決闘。「お前は誰だ?」を連発するフランク。静かに昔を回想するハーモニカ。フォンダの青い目とブロンソンの濃いほうれい線のドアップが強烈に印象に残る。
ジルは、実は淑女ではなくてニューオリンズの高級娼婦だったことがわかる。ジルはたぶん夫のマクベインを嫌いとは言わずともそんなには惚れていなかったように見受けられるが、西部の地で新しい人生を生きるべく、妻として母としてがんばろうという覚悟でやってきたと思う。さしはさまれる男たちの戦いに目が行きがちだが、これは一貫してジルの物語である。彼女がフランクと関係した後、お風呂に入ったことで、彼をどう思っていたかがわかる。最後の鉄道工事でコーヒーをふるまうシーンは、ほんのわずかのあいだ夫だった男の遺志を継いで宿場町をつくっていくのだなということを思わせて、よかった。
モニュメント・ヴァレーでロケが行われ、赤茶色の岩山が並ぶ雄大な景観がどーんと画面に映し出される。音楽はモリコーネだが、アメリカ西部劇風の牧歌的な曲が流れたり、ジルが出てくるとちょっとロマンチックな感じの曲が彼女のテーマといった感じで流れる。冒頭のストロードとイーラムの登場もあり、マカロニだけどアメリカ風味満載である。でも、ロングコートのおしゃれな見せ方や、時間をたっぷり使ったアップの切り替えしはレオーネ流で、いい感じで混ざっていると思った。(2019.9)


続・二匹の流れ星  Per 100.000 dollari t'ammazzo
1968年 イタリア 92分
監督:ジョヴァンニ・ファーゴ
出演:ジョニー・フォレスト(ゲイリー・ハドソン/ジャンニ・ガルコ)、クリント(ジャンニの弟。クラウディオ・カマソ)、アニー(ジャンニの妻。クラウディエ・ランジェ)、フラゴ(ピエロ・ルリ)、コンカルベス(フェルナンド・サンチョ)

某所で見る機会を得る。
家を飛び出してアウトローになった弟と、母の遺言に従い、弟を探し出して更生させようとする兄の、兄弟の愛憎劇マカロニ・ウエスタン。
弟クリントを演じるのは、ジャン・マリア・ボロンテの弟のクラウディオ・カマソ。なかなか男前でよかった。(2019.4)
関連作品:「二匹の流れ星」10,000 DOLLARI PER UN MASSACRO(1967年) 監督:ロモロ・グェッリエリ、出演:ゲイリー・ハドソン、クラウディオ・カマソ、フェルナンド・サンチョ

荒野の大活劇 Vivi o Preferibil Mente Morti (Dead or Alive / Alive of Preferably Dead)
1969年 イタリア/スペイン 102分
監督:ドゥッチオ・テッサリ
音楽:ジャンニ・フェリオ
出演:ジュリアーノ・ジェンマ、ニーノ・ベンベヌーティ、シドニー・ローム、アントニオ・カザス
マカロニ・ドタバタ痛快コメディ・ウェスタンという珍しい一品。
遺産相続のため西部にやってきた東部の男が、田舎者の弟と愉快な道中を繰り広げる。(2004.6)


五人の軍隊
UN ESERCITO DI CINQUE UOMINI
THE FIVE MAN ARMY
1969年 イタリア 111分
監督:ドン・テイラー
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ダッチマン大尉(ピーター・グレイヴス)、オーガスタス(爆薬の専門家。ジェームズ・ダリ―)、メシート(巨漢。バッド・スペンサー)、サムライ(丹波哲郎)、ルイス(脱獄囚。ニーノ・カステルヌオーヴォ)、エステバン(革命派のリーダー。クラウディオ・ゴラ)、マリア(ダニエラ・ジョルダーノ)

衛星放送を録画してみる。
マカロニ・ウェスタンだが、暗さや残酷さは控えめ。軽快でテンポよく、楽しい。
メキシコ革命のころ。ダッチマンは、かつての戦友らを駆り集め、革命軍の依頼で政府軍用列車が運ぶ50万のドルの砂金強奪を計画する。チームのメンバーは、爆薬の専門家オーガスタス、巨漢で剛腕のメシート、日本人の刀の使い手サムライ、若い脱獄名人のルイスら、それぞれの技能に長けた男たちだ。人集めから計画の準備、実行まで、終始気が利いた展開で飽きない。
列車襲撃が始まってからも、列車から落下し、走って走って追いつくサムライ、手作りの爆弾を落としてしまうオーガスタス、邪魔が入って線路の連結が遅れるメシートと、それぞれの面々がはらはらドキドキさせてくれる。
最後は、裏切りで血の雨が降るかと思いきや、なんともさわやかに終わるのであった。
5人のメンバーひとりひとりがしっかり描かれていて、それぞれよかった。丹波哲郎も、なんでこんなところに?と思いつつ、へんな日本人扱いでなく、男前な役を果たし、メキシコ美人との恋もつつましく描かれているのだった。(2019.9)


夕陽のギャングたち Giu La Testa (A Fistful of Dynamite)
1971年 イタリア 156分
監督:セルジオ・レオーネ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ファン・ミランダ(ロッド・スタイガー)、ジョン・マロリー(ジェームズ・コバーン)、ビィエガ(ロモロ・ヴァリ)
メキシコ革命を背景に、革命の闘士マロリーと山賊のミランダとの男の友情を描く。(2004.6)

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