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西部劇

<1950年代の西部劇 1>
1950年 ウィンチェスター銃’73(追記あり)、 折れた矢、 彼女は二挺拳銃、 拳銃王、 テキサスから来た男、 リオ・グランデの砦 
1951年 アニーよ銃をとれ、 シマロン・キッド
1952年 決斗!一対三、 無頼の谷、 真昼の決闘、 ミズーリ横断

ウィンチェスター銃‘73 Winchester’73
1950年 アメリカ 白黒 93分
監督:アンソニー・マン
出演:リン・マクダム(ジェームズ・スチュアート)→ダッチ・ヘンリー・ブラウン(スティーヴン・マクナリー)→ラモント(ジョン・マッキンタイア)→ヤング・ブル(ロック・ハドソン)→スティーヴ・ミラー(チャールズ・ドレイク)→ワッコー・ジョニー・ディーン(ダン・デュリエ)<→は銃の持ち主の変遷を示す。ワッコーから再びダッチ、最後はリンへ>
ローラ・マナーズ(シェリー・ウィンタース)、ハイ−スペード(ミラード・ミッチェル)、ワイアット・アープ(ウィル・ギア)、ウィルクス軍曹(ジェイ・C・フリッペン)
西部の名銃73年型ウィンチェスター銃が、次から次へと様々な男たちの手に渡っていく。
最初の射撃競技会と、ラストの岩場での因縁の対決がみもの。(2004.6)

「ジャンゴ 繋がれざる者」公開にあたってか、渋谷シネマヴェーラで「ウエスターンズ!」という西部劇特集をやってくれた。2、30年ぶりに見た。名銃が持ち主を転々とする話だということは覚えていたが、あとの内容はほとんど覚えていなかったので、新鮮に楽しめた。
何挺もの銃が製造される中、千に一つくらいの割合で、精度の高い、性能のよい銃が生産されるという。そうした「千に一つの銃」をめぐる物語。
カンザス州ダッジシティで、射撃大会が開かれ、優勝者には千に一つのウィンチェスターM73が、賞品として贈られることになった。各地から銃の名手が集まってくる。
友だちのハイ−スペードとともに町にやってきたリン・マクダムは、射撃大会への参加申込の際に、仇敵ダッチに出会う。二人のあいだに緊張が走るが、保安官のワイアット・アープは、町中での銃の携行を禁じ、二人の銃を預かる。
射撃大会は、リンとダッチの決勝戦となり、リンが優勝し、賞品のウィンチェスターを獲得する。が、銃がほしくてたまらないダッチは、リンを襲って銃を奪い、逃走する。
ダッチは、立ち寄った店で、インディアン相手に商売をしている商人のラモントとポーカーをして負け、ウィンチェスターを取られる。
ラモントは、インディアンの若き酋長ヤング・ブルにウィンチェスターを奪われる。
ヤング・ブルは、騎兵隊のキャンプを襲撃する。そこには、ダッジ・シティを追いだされた踊り子ローラとフィアンセのスティーブ、そしてリンとハイ−スペードが居合わせていた。リンたちの反撃によりインディアンたちは退却する。ヤング・ブルはリンに撃たれて死に、ウィンチェスターは地面に落ちたまま放置されるが、騎兵隊のウィルクス軍曹が銃を発見したのは、リンたちが去った後だった。軍曹は、銃をスティーブに渡す。スティーブはインディアン怖さに恋人のローラを捨てて逃げようとした男だが、軍曹は彼を恋人を守った勇敢な男だと思っていたのだった。
スティーブは、仲間のワッコーと落ち合う。が、無法者のワッコーは、スティーブの持っているウィンチェスターに気付き、スティーブを侮辱して拳銃を抜かせ、射殺し、ウィンチェスターを奪う。
ワッコーは、ダッチとも仲間だった。彼らは銀行強盗を企んでいた。ダッチは、ワッコーが例のウィンチェスターを持っていることを知ると、よこすように詰め寄る。ワッコーは、あっさりと銃を渡すが、いずれ、ダッチを殺して銃を取り戻すつもりでいた。
銀行強盗に訪れた町には、リンとハイ−スペードが来ていた。銀行強盗は失敗し、リンは、逃走するダッチを追う。負傷したローラにハイースペードが、リンとダッチの因縁を打ち明ける。ダッチは、リンの兄で、父親を射殺して逃走した。リンは、父の敵としてダッチを追っていたのだった。
岩場での対決で、リンはダッチを倒し、千に一つのウェインチェスターを取り戻す。
ジェームズ・スチュアートが、銃の腕が立つ西部男を好演。実の兄を敵として追うという影の部分を持ちつつも、こんな人がいてくれたら安心という感じで頼もしい。敵役のダッチはひたすらやなやつという感じ。デュリエ演じるワッコーがなんともユニークでおもしろい。悪い奴なんだけど、ひょうひょうとしていて、それなりに筋は通す。往年の西部劇にはこういう食えない悪党がよく登場した。最近ではあまり見かけないキャラクターである。
千に一つの名銃と言われて見るせいか、主役の銃は、たいへん美しく見えた。(2013.5)


折れた矢 BROKEN ARROW
1950年 アメリカ 92分
監督:デルマー・デイビス
出演:トム・ジェフォーズ(ジェームズ・スチュワート)、コチーズ(ジェフ・チャンドラー)、ソンシアレイ/朝の星(デブラ・パジェット)、ジェロニモ(ジェイ・シルヴァーヒールズ)、ホアン(インディアンのガイド。ウィリアム・ウィルカーソン)、ミルト・ダフィールド(トムの友人。アーサー・ハニカット)、オリヴァー・ハワード将軍(バージル・ルイスダール)、バーナル大佐(レイモンド・ブラムリー)、スレイド(牧場主。ウィル・ギア)

1870年のアリゾナが部隊。元軍人のトム・ジェファーズは、旅の途中で負傷したアパッチの少年をみつけ、助けてやる。トムは、それまで野獣のように思っていたインディアンが白人と同様家族を思う感情や公平なものの見方をする人々であることを知る。トムは、郵便配達人がアパッチの土地を無事通れるように、酋長コチーズと話をつけに単身アパッチの本拠に赴く。コチーズは威厳に満ち、部族の人々の信頼を得た、頭の切れるリーダーだった。トムとコチーズは、次第に互いを認め、友情を育んでいく。一方で、トムはインディアンの少女ソンシアレイと知り合い、恋に落ちる。
ジェームズ・スチュワートの気張らない勇者もいいが、なんといってもコチーズ演じるジェフ・チャンドラーの存在感が半端ない。和平交渉が成立し、喜ぶトムに、まだ安心はできないという懐疑的で慎重な態度を見せる姿に、これまで一族が経てきた白人との苦渋の歴史が垣間見られる。ラスト、ソンシアレイを失い、やけになるトムに対し、互いに耐えねばと説く、その剛健さに感動した。
ソンシアレイを演じるデボラ・パジェットは、どう見てもインディアンには見えないのだが、トム川辺の雑木林のラブシーンはとてもよかった。
アーサー・ハニカットは好きな脇役俳優で、本作ではトムの友人ミルトを演じていて、トムの言葉を証明するため、郵便配達人を買って出るところなどよかったが、もう少し見せ場があればいいのにと思った。
西部劇では、部分的にインディアン目線から白人との和平に臨む様子を描き、しかし結局は破綻して戦いになってしまい、最後は白人側の勝利に終わるといった感じのものが多いように思うが、本作は賢明な酋長の英断によって和平が成立するという稀有な展開をみせる。(2023.6)

彼女は二挺拳銃 A Ticket to Tomahawk
1950年 アメリカ 90分
監督:リチャード・セイル
出演:キット(アン・バクスター)、ジョニー(ダン・デイリー)、スウィニー(ウォルター・ブレナン)、ダコタ(ロリー・カルホーン)、サッド・アイズ (アーサー・ハニカット)、ファーゴ(ジャック・イーラム)、マリリン・モンロー
西部の町トマホークでは、期日までに汽車が町に着かなければならないのに、線路が全部できていなかった。保 安官である父の助手をつとめる娘キットは、東部 から来た男ジョニー、陽気な機関士スウィニーらとともに汽車をロバで町まで引いていくことにした。が、道中様々な邪魔が入る。
橋の爆破、インディアンとの戦闘など西部劇の見せ場のあいまに、キットとジョニーのロマンスを交えた、軽快で楽しいアクション・コメディ。
踊り子役で無名時代のマリリン・モンローが顔を見せる。(2004.6)


拳銃王 The Gunfighter
1950年 アメリカ 白黒 84分
監督:ヘンリー・キング
出演:ジミー・リンゴー(グレゴリー・ペック)、マーク・ストレット保安官(ミラード・ミッチェル)、ペギー・ウォルシュ(ヘレン・ウェスコット)、ジミー(息子。B・G・ノーマン)、マック(バーテン。カール・マルデン)、モリ―(ジーン・パーカー)、チャーリー(保安官助手。アンソニー・ロス)、ハント(スキップ・ホメイアー)、エディ(リチャード・ジャッケル)
ジミー・リンゴは、拳銃稼業から足を洗うことを考えていたが、彼を倒して名をあげようとする若者や仇としてつけねらう連中がそうさせなかった。
早撃ちのガンマンとして西部に名を馳せた男の宿命を硬質なタッチで描く。
やるせない男の思いをグレゴリー・ペックがいつになく渋く伝える。(2004.6)

久しぶりに録画で再見。
凄腕ガンマンとして名を挙げたジミー・リンゴ―は、その名声ゆえに彼を倒して名を上げようとする男たちから命を狙われ、正当防衛でやむなく打ち殺した相手の身内から命を狙われ、町の婦人たちからは毛嫌いされ、さすらって新しい町に着いても、すぐ話題となり、追い出されるはめになる。町の保安官マークは、かつての無法者仲間でなんやかんやとリンゴ―に気を使ってくれる。この人がとてもよかった。西部劇によく出てくる脇役の頼りになる保安官だ。
実在した西部のガンマン、ジョニー・リンゴ―は、死にざまもいろいろ取りざたされているそうだ。映画では、OK牧場の決闘の際にドク・ホリディに殺されたりしているが、実際は木の下で死体が発見され自殺らしいという説もあるとのこと。そういう謎の多い男なので、映画はやりたい放題。この映画では、ハントという若者にうしろから撃たれるが、リンゴ―は、「俺が先に抜いたことにしろ」と言い残し、ハントを新たなヒーローに仕立て上げようとする。
ラスト、馬の背に揺られていく男はシルエットになっている。あれはハントなのか、いや、実はリンゴ―が生きていたのだとか 言われているが、シルエットで顔がはっきりしないのは、うわさが生み出す西部のヒーローとその宿命を暗示しているような気がする。(2020.11)

おまけ:サム・シェパードが作詞したボブ・ディランの歌「ブラウンズビル・ガール」(アルバム「ノックドア ウト・ローデッド」に収録)の中に、本作らしき映画のことが出てくる。

テキサスから来た男 THE KID FROM TEXAS
1950年 アメリカ 77分
監督:カート・ニューマン
出演:ウィリアム・ボニー/ビリー・ザ・キッド(オーディー・マーフィ)、アイリーン・ケイン(ケインの妻。ゲール・ストーム)、ロジャー・ジェームソン(シェパード・ストラドウィック)、アレックス・ケイン(アルバート・デッカー)、モーガン(牧童頭。ドン・ハガーティ)、ハーパー(デニス・フォーイ)、ランド保安官(ライ・ティール)、ミニンジャー(ウェイリアム・タルマン)、モラレス(マーティン・ガーララガ)、オファロン(ウィル・ギア)、コープランド保安官(ポール・フォード)、パット・ギャレット(フランク・ウィルコックス)、マリア(ローサ・デュリヒ)、ルピタ(ドリータ・パライス)、マルガリータ(ピラー・デル・レイ)、ウォーレス(テキサス州知事。ロバート・H・バレット)
DVDで見る。
オーディー・マーフィがビリー・ザ・キッドを演じる。ビリーは、銃の腕が立つ気のいい若者で、不幸な状況ゆえに、名高い西部のアウトローとなっていく。
1879年のリンカーン郡の戦争が、二人の白人ケインとハーパーの対立として描かれている。ビリーは、自分を気にかけてくれたジェームソンを慕い、彼を殺したハーパー一派を仇とねらう。1880年のテキサス州ウォーレス知事との面会や、仲間と立てこもった銃撃戦など、事実に基づくエピソードが出てくる。フィクションが多そうだが、史実をベースにしているので、雰囲気は暗めである。(2021.5)

リオ・グランデの砦 Rio Grande
1950年 アメリカ 白黒 105分
監督:ジョン・フォード
出演:カービィ・ヨーク中佐(ジョン・ウェイン)、キャサリン・ヨーク(モーリン・オハラ)、ジェフ・ヨーク(クロード・ジャーマン・ジュニア)、トラ ヴィス・タイリー(ベン・ジョンスン)、サンディ・ブーン(ハリー・ケリーJr)、ウィルキンス医師(チル・ウィリス)、クィンカノン軍曹(ビクター・マ クラグレン)
「アパッチ砦」「黄色いリボン」に続くジョン・ フォード騎兵隊三部作の最終作で、父と子、夫と妻の家族愛を描く。
リオ・グランデ河のほとりにある騎兵隊の砦では、ヨーク中佐の指揮の下、インディアンとの激しい戦闘が繰り返されていた。
ある日、中佐の息子ジェフが新兵として配属されてくると、息子を心配して、別れた妻キャサリンも砦を訪れる。家族との再会を果たした中佐は、やがて彼らの 愛を取り戻していく。
キャサリンが、中佐のテントの中で蓄音機だかオルゴールだかを見つけて、なつかしそうな表情を浮かべるところがある。ほかに何の説明もなされないことが、 逆に中佐と夫人がともに歩んできた道をうかがわせるという、印象深いシーンだった。
アクションでは、騎兵隊員たちが披露する古代ローマ式の騎馬がみもの。

「子鹿物語」のクロード・ジャーマン・ジュニアが、騎兵隊暮らしで一人前に成長していくヨーク中佐の息子役を好演している。(2004.6)

アニーよ銃をとれ ANNIE GET YOUR GUN
1951年 アメリカ 107分
監督:ジョージ・シドニー
出演:アニー・オークリー(ベティ・ハットン)、フランク・バトラー(ハワード・キール)、バファロー・ビル(ルイス・カルハーン)、
実在した女ガンマン、アニー・オークレーを主人公にしたウエスタン・ミュージカル。アニーは、銃の腕前を買われ、西部のヒーロー、バファロー・ビルが率いるウエスタンショーに加わる。一座の興行の旅とともに、アニーとフランクの恋が描かれる。アニーの方がフランクより射撃の腕がたつが、そのことが二人の間の障害となる。題材の割に、今一つ陽気さに欠け、すっきりしないように思える。ベティ・ハットンにあまり魅力が感じられず、また、女は能力を隠して男を立てる役回りになることでものごとがスムーズに進むというのが当時の常識として描かれていることもあるかもしれない。(2021.5)

シマロン・キッド THE CIMARRON KID
1951年 アメリカ 84分
監督:バッド・ベティカー
出演:ビル・ドーリン/シマロン・キッド(オーディ・マーフィ)、キャリー(ビヴァリー・タイラー)、ビター・クリーク・ダルトン(ジェームズ・ベスト)、ローズ(イヴェット・デュゲイ)、パット(ロイ・ロバーツ)、ジョン・サットン保安官(リーフ・エリクソン)、レッド(ヒュー・オブライエン)、ダイナマイト・ディック・ダルトン(ジョン・ハドソン)、ボブ・ダルトン(ノア・ベリー・ジュニア)、サム・スワンソン検事(デヴィッド・ウォルフ)、
DVDで見る。
西部の無法者ダルトン兄弟により決行された、2件同時の銀行襲撃。失敗してリーダーのボブをう失い、年若いが銃の腕が立つビル・ドーリンが一味の中心となるが、裏切り者が現れ、チームは追い詰められていく。
オーディ・マーフィが、グッド・バッド・マンの若者を好演。
機関車の転車台を使って逃走するシーンが、印象に残る。(2012.10)


決斗!一対三 THE LAWLESS BREED
1952年 アメリカ 83分
監督:ラウール・ウォルシュ
原作:ウィリアム・アランド
出演:ジョン・ウェス(ウェズリー)・ハーディン(ロック・ハドソン)、ロージー(ジュリア・アダムス)、ジョン(ウェスの息子。レース・ジェントリー)
ジェーン(メアリー・キャッスル)、ジョン・G・ハーディン(ウェスの父)/ジョン・クレメント(ウェスの叔父)(ジョン・マッキンタイア2役)、ジョー・ハーディン(ウェスの兄。ウィリアム・プレン)、ジム・クレメント(デニス・ウィーヴァー)、ジョー・クレメント(リチャード・ガーランド)、
アイク・ハンドリー(ヒュー・オブライエン)、ベン・ハンドリー(グレン・ストレンジ)、ディーク・ハンドリー(リー・ヴァン・クリーフ)、ガス・ハンドリー(マイケル・アンサラ)
ワイルド・ビル・ヒコック(ロバート・アンダーソン)、酒場の用務員(フランシス・フォード)、酔っ払い(ハンク・ウォーデン)

西部の無法者ジョン・ウェズリー・ハーディングと主人公にした西部劇。自叙伝をもとに作られたらしい。1894年に出所したウェスが、回想する形で物語が進む。(2022.1)


無頼の谷 Rancho Notorious
1952年 アメリカ 89分
監督:フリッツ・ラング
出演:ヴァーン・ハスケル(アーサー・ケネディ)、オルター・キーン(マレーネ・ディートリッヒ)、フレンチー・フェアモント(メル・ファーラー)、ベス・フォーブス(グロリア・ヘンリー)、ゲーリー(ジャック・イーラム)、ウィルソン(ジョージ・リーヴス)、プリーチャー(フランク・ファーガソン)、キンチ(ロイド・ガフ)、ハービン(フランシス・マクドナルド)、コマンチ・ポール(ダン・セイモア)、ジェフ・ファクター(ジョン・ケロッグ)、リオ(ロッド・レッドウィング)
アーサー・ケネディのちょっと陰気な顔つきと、男たちに囲まれてすくっと立っているデートリッヒの姿を覚えている。(つまりあまりよく内容をおぼえていな い。)(2004.6)
DVDで久しぶりに見る。
冒頭流れる歌にさかんに「チャカラック」という言葉が出てきて、地名のようだが、何なのだろう、とまず思わせる。映画の合間合間にもナレーション代りに歌が流れて、オシャレである。
チャカラックは、縦に置かれたルーレットのことだと説明され、実際に現物も出てくる。が、主人公のヴァーンは、恋人のベスを殺した犯人を追う際に「奴はチャカラックへ向かった」と聞き、彼は場所を示す「チャカラック」を探して旅をすることになる。
「チャカラック」は、女ボス、オルターが率いる無法者一味のたまり場の牧場のことだった。ヴァーンは、オルターの恋人フレンチ―に近づき、無法者の仲間に加わったふりをして、仇の男を探す。
フレンチ―のメル・ファーラーがかっこいい西部男を演じている。
ディートリッヒは、酒場で言い寄る客に肘鉄をくらわせ、いかさまのチャカラックの賭けにフレンチ―の機転で勝ち、チャカラックでは無法者たちをしきり、ときにドレスで着飾って歌を歌い、むりやりキスしたヴァーンに平手打ちをくらわせ、でも、最後はフレンチ―をかばって銃弾に倒れる、という、鉄火肌の姉御を演じている。(2019.12)



真昼の決闘 High Noon
1952年アメリカ 白黒 84分
監督:フレッド・ジンネマン
主題歌:「ハイ・ヌーン」ネッド・ワシントン作詞 ディミトリ・ティオムキン作曲 テックス・リッター唄
出演:ウィル・ケイン(ゲーリー・クーパー)、エミー・ケイン(グレース・ケリー)、ヘレン・ラミレス(ケティ・フラド)、ハーベイ(ロイド・ブリッジス)、ヘンダーソン町長(トマス・ミッチェル)、酔っ払いチャーリー(ジャック・イーラム)、
フランク・ミラー(アイアン・マクドナルド)、ベン・ミラー(シェブ・ウィリー)、ボピアース(ボブ・ウィルク)、 コルビー(リー・ヴァン・クリーフ)
結婚を機に保安官を辞めて妻のエミーと町を出ていくことにしたウィル・ケイン。
だが、式当日かつて彼が投獄した無法者フランクが釈放され、復讐をしに町にやって来るという知らせが届く。
フランクの到着は正午。ウィルは、再びバッジをつけ、彼と対決することを決意をする。が、敬虔なクエーカー教徒である新妻のエミーはウィルのもとを離れ、 殺し合いを望まない町の人々も彼に手を貸そうとはしなかった……。
10時40分から正午までの1時間20分そのままの上映時間で、たった一人敵を待ち受けるウィルの不安と焦燥がリアルに描かれていく。
「恋人よ、行かないでくれ」というテックス・リッターの歌声が、口に出せないウィルの心の声となって、胸にしみる。(2004.6)


ミズーリ横断 Across the Wide Missouri
1952年 アメリカ 78分
監督:ウィリアム・ウェルマン
出演:フリント・ビッツェル(クラーク・ゲーブル)、カミュア(マリア・エレナ・マルク)
ロッキー山脈の美しい自然を背景に、ミンク狩猟者とインディアンの娘の恋、二人をよく思わないインディアンとの対決が描かれる。
クラーク・ゲーブルが、野外で髭を剃りながら、「ミルクにハエがおっこちた。ミルクにハエがおっこちた。ミルクにハエがおっこちた。これじゃ飲めない よ。」(吹き替え)という歌を歌っていたことを覚えている。(2004.6)

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