みちのわくわくページ

映画 映画(海外) ターミネーター

ターミネーター:新起動/ジェニシス、 ターミネーター4、 ターミネーター3、 ターミネーター2、 ターミネーター

★ネタばれあります!!
※末尾に映画4作の経緯をまとめてあります。

ターミネーター:新起動/ジェニシス  TERMINATOR: GENISYS
2015年 アメリカ 125分
監督:アラン・テイラー
ターミネーター(守護神)(オジサン pop)(アーノルド・シュワルツェネッガー)、サラ・コナー(エミリア・クラーク)、カイル・リース(ジェイ・コートニー)、ジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)、T-1000(イ・ビョンホン)、オブライエン刑事(J・K・シモンズ)
シリーズ第5弾。
2029年、機械軍スカイネットは、人類抵抗軍のリーダー、ジョン・コナーを抹殺するため、1984年にT-800型ターミネーター送り込む。それを知ったジョン・コナーは、何も知らない女子学生のサラを救うべく、カイル・リースを1984年に送り込む。ここまでは、これまでと同じ展開。
しかし、1984年にタイムトラベルしたカイルは、いきなりT-1000型(1994年にスカイネットが送り込んだ最新型の)ターミネーターに襲われ、武器を持ちトラックを駆るサラ・コナーに窮地を救われる。T-800型ターミネーターは、サラが11歳の時に既に送り込まれており、敵の襲撃にあって両親を失った彼女を、守護神として守り続け、1984年にやってくるカイルを待っていたのだ。というわけで、シリーズ1〜2の展開に新たなタイムトラベルが追加されて、3・4作目とは違う時間軸の話になっていく。
守護神のT-800型は、サラに「オジサン」(popp)と呼ばれ、皮膚は老化するという説明の元、1894年の時点で見た目は老けていて、1984年からさらにスカイネット稼働直前の2017年にサラとカイルがタイムトラベルをし、タイムトラベルに支障をきたす「オジサン」はその間33年間待ち続け、白髪の老人となる。しかも、33年間待ったあげくに渋滞に巻き込まれて2人と行き会えないのがまたよい。
時間ネタについては、よく考えると釈然としないところもあるが、あまりかちっとしていると頭が疲れるので、アメリカの時間ネタ娯楽アクションSF映画としては、これくらいのゆるさがちょうといい塩梅で楽しめると思われる。
久しぶりに見るT-1000の液体金属変化ぶりはやはり見ごたえがあった。役者は代わっても変わらず男前なのがよい。
1894年でカールらに窮地を救われた若い警官オブライエンが、せっかく33年後に刑事となって登場するのに、時間ものならではの小ネタがあまり見られず、ちょっと残念だった。
ジョン・コナーが最初から見るからに悪役面で、彼がT-3000となるという展開はいかがなものかと思う。
しかし、このシリーズを1作目公開当時から同時代的に順を追って見ていると、シュワルツェネッガーの演じるT-800型の、青年、中年、老年のそれぞれの姿に、感慨深いものを覚えるのだった。(2015.8)


ターミネーター4 Terminator Salvation
2009年 アメリカ 114分
監督;マックG
出演:ジョン・コナー(クリスチャン・ベイル)、マーカス・ライト(サム・ワーシントン)、カイル・リース(アントン・イェルチン)、スター(ジェイダグ レイス)、ブレア・ウィリアムス(ムーン・ブラッドグッド)、バーンズ(コモン)、ケイト・コナー(ブライス・ダラス・ハワード)、ヴァージニア(ジェー ン・アレクサンダー)、セレナ・コーガン博士(ヘレナ・ボナム=カーター)、アッシュダウン将軍(マイケル・アイアンサンド)
2003年、殺人を犯した死刑囚のマーカス・ライトはセレナ・コーガン博士の説得でサイバーダイン社と契約を交わし、死後の献体に同意する。
2018年、彼は再び目覚める。荒廃した世界と突然の機械の襲撃に戸惑う彼は、カイル・リースという名の少年とその仲間である少女スターに助けられ、人類滅亡をもくろむ機械軍スカイネットが、核戦争を引き起こしたことを知らされる。
人類の抵抗軍ジョン・コナーのラジオでの呼びかけを聞いたカイルらは、合流するため自動車で抵抗軍の基地に向かうが、途中敵の襲撃を受け、カイルとスターは捕虜となって機械軍に連れ去られてしまう。残されたマーカスは、戦闘機から脱出した抵抗軍の女性パイロット、ブレアと出会い、彼女の案内でジョン・コ ナーのいる抵抗軍基地に向かう。
が、地雷を踏んで負傷し、治療の際に、その身体の殆どの部分が機械であることが露見する。マーカスは、自分は人間だと主張するが、コナーは、かつて刺客と して差し向けられたターミネーターがまたも自分を殺しにきたと思いこみ、彼を拘束する。
ブレアの手によって逃れたマーカスは、コナーにカイルの救出を申し出る。コナーは、「自分の心に従え」というサラの言葉に沿って決断を下す。
話はほぼマーカスを中心に進む。強力な殺人機械ターミネーターの最初の一体である彼は、クールでいて実はやさしく、機械の身体に苦悩しながらもカイル救出のために独自の立場を利用しようとする柔軟さを持つなど、魅力ある人物となっている。ブレアとの恋の描き方も適度に抑制が効いていてよい。カイル少年と口がきけない少女スターの子どもコンビは元気で気が利いていて、かわいい。コナーは、これからいよいよ男になるかという感じである。
ジョン・コナーとカイル少年が初めて顔を合わせる出会いの場面は、事情を知っていると感慨深い。ジョンは、これがおれの親父かという思いで少年を見つめているのだろうし、少年はそうとは知らずに、あこがれの英雄を見る熱い眼差しで自分の息子を見つめるのである。
1作目から3作目までは、未来からやってきた機械が現代の人間をめぐって現代で戦う時間SFアクションだったが、本作は近未来SF戦争アクションとなり、 ターミネーターの強さよりも、スカイネットのおぞましい機械兵器とそれに対抗する人類軍の戦いぶりが語られる。CGを駆使した戦闘や襲撃のシーンは、迫力 があって見応えがある。蛇に似た小型の機械は、「エイリアン」を思わせる。金属製の階段を上るターミネーターのむき出しの足など、これまでの作品を思い出させる細部や台詞がそこここに見られ、戦いはまだまだこれからという終わり方も、1作目に通じる。(2008.6)

この一言(No.42):「みんなが、あなたがいないことに気づいたら、なんて言えばいいの?」「おれは戻ってくる。」

ターミネーター3 Terminator3: Rise of the Machines
アメリカ 2003年 169分
監督 ジョナサン・モストウ
出演:T-850型ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)、ジョン・コナー(ニック・スタール)、ケイト・ブリュースター(クレア・デイン ズ)、T-X(クリスタナ・ローケン)、スコット・ピーターソン(マーク・ファミリエッティ)、ドクター・シルバーマン(アール・ボーエン)
ロボット対人間の戦争が起こっている未来から、敵となる人物を予め消去しようと殺人ロボットが派遣されてくるという、近未来時間SFシリーズ第3弾。前2作の伏線が見事に結実、という謳い文句なのだが、前2作の細部をすっかり忘れてしまっているので、そういう面ではあまり溜飲を下げられなかった。
最初のカーアクションから、監督の意気込みが感じられる。クレーン車でできることは一通りやってやるとばかりに、人をぶら下げたり、横になって道路の両側に片っ端からぶつけたりと、やりたい放題である。
ジョン役のスタールは、見た感じヒーローといった感じではないところがかえっていいかなと思わなくもない。
強すぎるTXが華奢な美女であるのはいい。
シュワルツェネッガーは、機械なのに悩んで機能を停止する。回復したとき、どっちになっているかというサスペンスもさることながら、最後に「また会おう。」とジョンに言う台詞はちょっと怖くていい。ジョンが次に彼に会うのはどういうときか、思いめぐらすと、それは未来の戦争のさなか、彼はジョンたちをねらう殺人機械として誕生するはずなのだ。(2003.9)


ターミネーター2 The Terminator 2 : Judgment Day
1991年 アメリカ 137分
監督;ジェームズ・キャメロン
出演:T-800型ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)、ジョン・コナー(エドワード・ファーロン グ)、T-1000(ロバート・パトリック)、ドクター・シルバーマン(アール・ボーエン)
1994年。サラ・コナーと未来から来た兵士カイル・リースとの間に生まれた息子ジョンは10歳くら いになっていた。1984年にサラの殺害に失敗した機械軍は、新型のターミネーターT-1000を送り込む。一方、前作と同じ型のT-800は今度はジョ ンとサラを守るために人類軍によって送り込まれてくる。特殊金属で変幻自在に姿を変えられる新型ターミネーターが強く印象に残っている。他のところの解説を読むといろいろと重大な展開があったようなのだが、細かい話はほとんど覚えていないのだった。(2008.6)

ターミネーター The Terminator
1984年 アメリカ 108分
監督;ジェームズ・キャメロン
出演:ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)、カイル・リース(マイケル・ビーン)、トラクスラー警 部補(ポール・ウィンフィールド)、ブコヴィッチ刑事(ランス・ヘンリクセン)、ドクター・シルバーマン(アール・ボーエン)
1984年、ロサンジェルス。夜の街に突然現れた全裸の二人の男。一方は、サラ・コナーという名の女性を抹殺するよう指令を受けた殺人機械ターミネーター、もう一方は、それを阻止すべく派遣された人間の兵士カイル・リースで、二人は2029年の未来からやってきたのだった。
21世紀の未来では、人類を害とみなした機械が反乱を企て、人類滅亡のための核戦争を起こした。生き残ったわずかな人類は、圧倒的に不利な情勢の中で機械との戦争を続けていた。が、ひとりの男が現れ、人類軍を優勢に導いていく。男の名はジョン・コナーといった。
機械軍は、時間を遡って彼を生む前の母親サラを殺害しジョンの存在自体をなかったことにしようとしていた。
平凡な女子学生のサラは、突然、残虐非道な殺人機械に命を狙われるはめになり、リースは、攻撃をかわしながら彼女を連れて夜の街を逃げる。始めは全くリー スを信じようとしなかったサラだが、彼が育った悲惨な未来の状況を聞き、自分のために必死で戦う姿を見て、次第に彼を信じ、好意を抱くようになる。
第4作公開にあたって、テレビ放映で見直した。公開当時に見たきりで、シュワルツェネッガーの殺人機械があまりに強烈すぎて、他の細部はほぼ忘れていたのだが、2と3を見た後で見ると、いろいろ噛み合っておもしろい。
リースが大事に持っていたのに焼けてしまったサラの古い写真が撮られる瞬間や、身重のサラの戦いはこれからというラストは感慨深いものがある。 (2008.6)


●「ターミネーター」シリーズの経緯
(※テレビシリーズの「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」は見ていないので除外)
☆人類滅亡を図り、1997年に核戦争を引き起こした機械軍スカイネットは、2029年、人類軍のリーダー、ジョンを亡き者にするため、その母親のサラを殺そうと1984年に刺客のターミネーター(T-800型つまりシュワルツェネッガー・タイプ)を放つ。その刺客を追っていった人類軍の兵士カイルは、1984年でサラと結ばれジョンの父親となる。カイルは刺客に殺され、サラはジョンを生む。
☆2029年のスカイネットは、1994年にT-1000型ターミネーターを送り込んでサラとジョンの母子を殺そうとする。が、2029年のジョンが 1994年のジョンを守る指令をインプットしたT-800型ターミネーターを放ち、1994年のジョンとサラは彼に救われる。ここで1997年に訪れたはずの「審判の日」は回避されたかのように思えた。
☆2004年、サラは死に、ジョンが20歳くらいのとき、2032年のスカイネットはTX型ターミネーターを送り込み、人類軍はT-850型(T-800型の改良型でやはりシュワルツェネッガー・タイプ)ターミネーターを送ってジョンを守らせたのでジョンは助かる。が、「審判の日」は結局延期されただけで回避できず、核爆弾は発射されてしまった。
☆そして、2018年。抵抗軍の隊長ジョン・コナーはすでに34歳くらいだが、そのとき彼の父親カイル・リースはティーンエイジャーで、機械軍は、今度は、ジョンの父親となるカイルをリアルタイムで殺そうとし、ジョンは、自分よりずっと年下の父親カイルを救出しようとする。
☆つまり、機械軍スカイネットは、ジョン・コナーを抹殺するために、彼を生む前の母親サラ、子ども時代の本人、20歳くらいのときの本人、10代のときの父親カイルを殺害しようとするが、ことごとく失敗したということになる。(2008.6)

映画ページ扉へ戻る

トップページに戻る