みちのわくわくページ

○ 外国映画(2007年)

<見た順(降順)>
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ファンタスティック・フォー:銀河の危機 4:Rise of the Silver Surfer
2007年 アメリカ 92分
監督:ティム・ストーリー
出演:リード・リチャーズ/Mr.ファンタスティック(ヨアン・グリフィズ)、スーザン・ストーム/インビジブル・ウーマン(ジェシカ・アルバ)、ジョ ニー・ストーム/ヒューマン・トーチ(クリス・エヴァンス)、ベン・グリム/ザ・シング(マイケル・チクリス)、アリシア(ケリー・ワシントン)、ビク ター・バン・ドゥーム(ジュリアン・マクマホン)、シルヴァーサーファー(ダグ・ジョーンズ、声/ローレンス・フィッシュバーン)、ヘイガー将軍(アンド レ・ブラウアー)、フランキー(ビュー・ギャレット)
宇宙の放射線を浴びて特殊な能力を得た4人が活躍するアメリカン・コミック原作のシリーズ2作目。
1作目は見ていないので、詳しいいきさつはよくわからないのだが、リードはゴム人間の科学者でチームのリーダー格。その恋人のスーザンは透明人間で、見えないバリヤーのようなものを作り出すこともできる。彼女の弟のジョニーは火人間で燃えながら飛ぶことができる。そして力持ちの岩人間ベンだけが、見た目も常日頃から岩である。彼には盲目の恋人アリシアがいる。
4人のメンバーはそれぞれに愉快で楽しく、スーザンとジョニーが姉弟であるという設定もどこかなつかしくていい。陽気な現実主義者の若者ジョニーと無骨そうなベンが仲良しなのもおもしろい。
宇宙から飛来した謎の物体が地球各地で異変を起こす。日本では海が干上がり(何故か駿河湾)、エジプトに雪が降る。謎の物体の正体は銀色のサーフボードにのった銀色の男シルヴァーサーファー。強大なエネルギーを持つ彼は、宇宙のあちこちで星を破壊し、地球を次の標的としているのだった。
4人の宿敵ビクターが、その力に目をつけシルバーサーファーを取り込もうとする。
ゴージャスなCGや壮大な宇宙規模の話とは対象的に、4人がシルバーサーファーを迎え撃つため森に仕掛ける装置はかなりチープだ。地球に危機が迫っているのに、主役の二人が結婚式がなかなか挙げられないことや結婚生活への不安に悩まされたりしているのも呑気だ。一度失敗したジョニーがヒーローらしい苦悩をちょこっと見せるが、総じて大雑把で軽快なスーパーヒーロー・アクションとなっている。しかも一番活躍するのは4人ではなくシルバーサーファー。彼の置かれた状況やその後については、いくらなんでももう少し時間をさいてほしかった気がする。
ジェシカ・アルバがかわいい。(2007.10)


トランスフォーマー Transformers
アメリカ 2007年 144分
監督:マイケル・ベイ
制作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ
出演:サム・ウィトウィッキー(シャイア・ラブーフ)、ミカエラ(ミーガン・フォックス)、レノックス大尉(ジョシュ・デュアメル)、エップス軍曹(タイ リース・ギブソン)、ケラー国防長官(ジョン・ボイト)、シモンズ(ジョン・タートゥーロ)、マギー(レイチェル・テイラー)、グレン(アンソニー・アン ダーソン)、ボビー・ボリビア(バーニー・マック)、ロン・ウィトウィッキー(ケヴィン・ダン)、ジュディ・ウィトウィッキー(ジュリー・ホワイト)
オプティマス・プライム(声ピーター・カレン)、バンブルビー(声マーク・ライアン)、メガトロン(声ヒューゴ・ウィーヴィング)
予告編を見たときは、いろいろな形状のメカに変幻自在に変身できる無敵の異星人が地球を侵略するという、「宇宙戦争」や「スターシップ・トゥルーパーズ」のような話を勝手に想像 していたのだが、ちょっとちがって、巨大ロボがぼかぼか出てきてロボット同士が戦う話だった。
その戦いにアメリカの普通の高校生が巻き込まれ、いいもんのロボットと仲良くなったり、国家機関の横暴な捜査官に追われたり、世界存亡の危機に直面したりするところなどは、「E.T.」や「ウォー・ゲーム」を思わせる内容である。
中東の米軍基地がなにものかの襲撃を受け、大統領専用機エアフォースワン内で機密情報が盗まれる。ただならぬ事態に、国防長官のケラーは緊急に対策を講じる必要に迫られる。
一方、高校生のサムは父にねだって黄色いおんぼろのカムリを買ってもらい、車で女の子と仲良くなろうともくろんでいた。が、その車は異星人ロボット、バンブルビーが変身したものだった。なにかと冴えないサムが、セクシーで美人で腕力もありそうな女子学生ミカエラとともに事件に巻き込まれていく。
サムとミカエラとサムの両親が、大変な状況下で高校生のいる普通の家庭の生活を展開しているのがおかしい。
情報処理専門家のマギーとふとっちょハッカーのグレン、中東で襲撃にあったレノックス大尉とその部下エッブス軍曹など、他の人間たちも地味ながらそれぞれの陣営で持ち味を見せている。
しかし、なんといっても主役はロボットたち。アメリカで公開された日米合作アニメの実写化ということで、巨大ロボアニメファンにとってはたまらないんだろうかと想像するのだが、そういった分野に乗り損なってしまった身としては、「とんでもない事態に巻き込まれた一般市民が、臨機応変な適応力を発揮して危機 を乗り切る」という、昔ながらのアメリカ映画のノリで見ながら、見事なCGによるロボたちの動きを楽しむことになる。
ロボットたちのあまりに人間くさい言動を目にしていると、だんだん昔なじんだ子ども向けの特撮番組が思い出されてきて、大人がひとりで見てるのもなんだかなあと思われてこないでもない。が、機械がカシャカシャと動いてみるみるうちに姿を変えていく様子はかなり見応えがあり、巨大ロボットたちが人んちの庭で 普通にミーティングしてる様子などはユーモラスで愉快だ。(2007.8)


ザ・シューター 極大射程 Shooter
アメリカ 2007年 125分
監督:アントワーン・フークア
原作:「極大射程」スティーヴン・ハンター
出演:ボブ・リー・スワガー(マーク・ウォールバーグ)、ニック・メンフィス(マイケル・ペーニャ)、サラ(ケイト・マーラ)、ジョンソン大佐(ダニー・ グローバー)、ジャック・ペイン(イライアス・コティーズ)、ミーチャム上院議員(ネッド・ビーティ)、マイケル・サンダー(ラデ・シェルベッジア)、ア ローデス・ガリンド(ローナ・ミトラ)、レイト(レヴォン・ヘルム)
アメリカ海兵隊の狙撃手スワガーは、エチオピアの任務で相棒の観測士ドニーを失ってから一線を退き、モンタナの山奥で愛犬サムとともに自給自足の生活を送っていた。
ある日、ジョンソン大佐とその部下が訪れ、大統領暗殺計画阻止のための協力を依頼してくる。狙撃手の視点から敵の計画を読んでほしいというのだ。 依頼を引き受けたスワガーだったが、そこにはとんでもない罠が仕掛けられていた。
一瞬にして大統領狙撃犯として追われる身となったスワガーは、持てる能力を総動員して対抗する。
事件発生現場から追っ手を振り切り、ドニーの妻サラを頼っていくまでの逃走劇でまずわくわくする。
スワガーに武器と車を奪われたFBIの新米捜査官ニックが、事件の経過を追う内に疑問を抱き、スワガーの言葉を信じるようになっていく過程もおもしろい。
ニックを仲間に引き入れ、反撃にでるスワガー。雪山での狙撃戦も見応えがある。
ウォルバーグは、無神経すぎず繊細すぎず、ヒーローとしてちょうどいいあんばい。ペーニャのニックは悪くないと思うが、もう少し見せ場というか、面白さを出してほしかった気がする。マーラは、果敢な未亡人サラを好演。なぜかザ・バンドのボーカリストにしてドラマーだったレヴォン・ヘルムが銃器のことなら何でも知っている老人役で顔を見せる。
スワガーは長距離射撃の名手で2000m先の標的を撃つことができる。映画では、1600m先の空き缶を試し撃ちしてみせる。1600mとはどれくらいの距離なのか、東京都道路地図を使い、土地の高低は無視して直線距離だけで確かめてみた。

 東京タワー 〜 六本木ヒルズ (1500m)
 東京タワー 〜 日比谷公会堂 (1700m)
 JR高田馬場駅 〜 早稲田大学大隈講堂 (1600m)
といった辺りがわかりやすいかなと思う。とにかく遠い。人が歩いて22、3分の距離、弾丸も標的にたどり着くまでに数秒かかるという。風があるとまた違ってくるが、風の向きや強さが分かれば対応できるとスワガーは言う。 素人はほえ〜と驚嘆するばかりだ。
サブタイトルの「極大射程」は、狙撃手スワガーの凄腕ぶりを示す原作小説の邦題である(原題は Point of Impact)。あまり評判がよくないようだが、私は大げさで好きだ。何年か前に読んだことがあり、かなり面白かったという印象はあるのだが、細かい内容をほとんど覚えていない。読後のメモには「爽快。スワガー、強すぎる。ニック、もう少し味を出してほしかった。映画を見てるみたいだった。」と書いてあった。(2007.6)

スパイダーマン3 Spider-man3
2007年 アメリカ 139分
監督:サム・ライミ
出演:ピーター・パーカー/スパイダーマン(トビー・マグワイア)、MJ[メ リー・ジェーン]・ワトソン(キルスティン・ダンスト)、ハリー・オズボーン/ニュー・ゴブリン(ジェームズ・フランコ)、メイ・パーカー(ローズマ リー・ハリス)、フリント・マルコ/サンドマン(トーマス・ヘイデン・チャーチ)、エディ・ブロック/ヴェノム(トファー・グレイス)、グウェン・ステー シー(ブライス・ダラス・ハワード)、J・ジョナ・ジェイムソン(J・K・シモンズ)、ウルスラ(マゲイナ・トヴァ)
シリーズ3作目。街の英雄としてニューヨークに定着したスパイダーマン。ピーターは、恋人MJにプロポーズをする決心をしていたが、MJはブロードウェイで歌手デビューを果たしたものの評論家の酷評を受けて落ち込んでいた。心のずれが生じ ていく二人の恋の行方と、スパイダーマンの前に現れる三人の敵の話が交錯する。
ピーターのかつての親友ハリーは、ニュー・ゴブリンとして武装を固め、父の仇討ちのためピーターの命を奪おうとしていた。また、ピーターの叔父を殺害した犯人マルコは病気の娘を思って脱獄し、科学研究所の実験に巻き込まれて砂人間(サンドマン)になってしまう。マルコの存在を知り復讐心を抱くピーターに、謎の宇宙寄生生物が取り憑く。宿主の悪の部分を増幅していく習性を持つこの 生物は、ピーターの仕事のライバル、エディにも取り憑き、彼をヴェノムという怪人に変えていく。ピーターは、MJとの恋に悩み、親友から向けられる憎悪に苦しみ、叔父の復讐に駆られて悪に蝕まれていく。
戦闘の負傷により一時的に記憶を失ったハリーは、憎しみを忘れピーターに対して久々に笑顔を見せる。観ているこっちもきゅんとくるが、しかし、すぐにその状況に甘んじてハリーとじゃれあってしまうピーターは迂闊だ。クレーン事故で救出した美女グウェンと公の場でキスしてMJを怒らせるスパイダーマンも迂闊だ。
1作目でかなり迂闊だったピーターは、2作目での苦悩によりだいぶ成長したかに見えたが、今回はこうして再び若干ふがいない部分をみせる。人の良いピーターが絵に描いたように悪に染まっていく様子はなかなかおかしい。しかし悪の時の方が髪型かっこいいし隙がないし決断力あるしと思っていると、黒い蔦状の寄生生物を身体から引きはがしたピーターが、ちゃんとヒーローの顔になっているのでうれしい。
クモの糸を駆使しての空中戦はやっぱり見応えがある。危ない場面で飛んでくるというヒーロー登場のシーンは、わかっていてもわくわくする。
メイおばさん、ジェイムソン編集長、アパートの大家とその娘ウルスラなど、前回に引き続き脇役もまたいい味を出している。(2007.5)

関連作品:「スパイダーマン」(2002年)、「スパイダーマン2」(2004年)

ブラッド・ダイヤモンド Blood Diamond
2006年アメリカ 143分
監督:エドワード・ズウィック
出演:ダニー・アーチャー(レオナルド・デカプリオ)、ソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)、マディー・ボウエン(ジェニファー・コネリー)、 シモンズ(マイケル・シーン)、大佐(アーノルド・ヴォスルー)、ディア・バンディー(カギソ・クイパーズ)
内線が続く1990年代のアフリカ、シエラレオネ。
ダイヤ密売人アーチャーは、取引に失敗した損害を取り戻すため、巨大なピンク・ダイヤモンドの行方を追う。ダイヤを隠したのは、家族と引き離され、革命軍RUFの下でダイヤ発掘夫として働かされていた漁師のソロモン。
政府軍とRUFが激しい戦闘を繰り広げる中、二人は、アメリカのジャーナリスト、マディの協力を得て、ダイヤの隠し場所である奥地に向かう。三人がそれぞれの立場から行動をともにし、互いに相手のよさを見出していく過程が、 定石ながら、おもしろい。
アフリカで生まれた白人であり、幼いときに両親を亡くし、非道な大佐に育てられた元傭兵という役どころのディカプリオがいい。素人のソロモンを連れて拳銃ひとつで激戦をくぐり抜け、RUFに連れ去られた息子ディアを取り戻そうと必死になるソロモンにぶうぶう言いながらも結局手を貸す。そして大佐のいいなりになったかとみせかけて二人だけに通じる言葉(「禁煙をするときだ。」)を言ってソロモンに真意を伝えるあたり、やはり定石なのだが、気持ちがよい。
コネリーは、ありがちな女性ジャーナリストの役を嫌みなくこなす。野営地での別れの場面やその後の電話でのやりとりなど、ストイックなラブ・シーンにじーんと来た。(2007.4)

言葉:TIA=This is Africa.

ドリームガールズ Dreamgirls
2007年 アメリカ 130分
監督:ビル・コンドン
出演:カーティス・テイラー(ジェイミー・フォックス)、ディーナ・ジョーンズ(ビヨンセ・ノウルズ)、エフィー・ホワイト(ジェニファー・ハドソン)、ローレル・ロビンソン(アニカ・ノニ・ローズ)、C.C.ホワイト(キース・ロビンソン)、ジミー・アーリー(エディ・マーフィ)、ミシェル・モリス(シャロン・リール)、マーティ・マディソン(ダニー・グローバー)、ジェリー・ハリス(ジョン・リスゴー)
モータウン設立期の黒人音楽界をモデルにしたミュージカルの映画化。
三人の女性シンガーによるユニット「ドリームメッツ」が大スターに上り詰めるまでの波瀾万丈な道のりを描く。彼女らを育て上げるのは、後にレコード会社社長となる中古車ディーラー、カーティス。ジェイミー・フォックスが、「売る」ためには手段をいとわないプロデューサー役をクールに演じている。ビヨンセはとにかく美しく、エディ・マーフィとジェニファー・ハドソンの歌いっぷりはとにかくパワフルだ。
60年代から70年代の黒人音楽が全編にあふれ、好きな人にはたまらないが、そうでもない人はちょっと飽きるかも。
関係者のほとんどが、練習中のステージの上で交互に歌いながら日頃の鬱憤を吐き出し合うシーンが圧巻。歌でけんかし、みんなが去ったあとも一人で延々と歌で愚痴るエフィはかなりしつこい。私はここまでやるならと面白がって見たが、このしつこさがいいか悪いかは好みが分かれるところかも知れない。 (2007.4)

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