みちのわくわくページ

○ 外国映画(2006年) 

<見た順(降順)>
硫黄島からの手紙、 父親たちの星条旗、 ブラック・ダリヤ、 グムエル 漢江の怪物、 パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト、  ダ・ヴィンチ・コード、 夢駈ける馬ドリーマー、 プロデューサーズ、アサルト13 要塞警察、 フライト・プラン、 キング・コング、 Mr.&Mrs.スミス

硫黄島からの手紙 Letters From Iwo Jima
2006年 アメリカ 141分
監督:クリント・イーストウッド
原作:「『玉砕総指揮官』の絵手紙」栗林忠道 吉田津由子編
脚本:アイリス・ヤマシタ
出演:栗林忠道中将(渡辺謙)、西郷(二宮和也)、西竹一中佐(伊原剛志)、清水(加瀬亮)、野崎(松崎優希)、伊藤大尉(中村獅童)、花子(裕木奈 江)、藤田中尉(渡辺広)、大久保中尉(尾崎英二郎)、サム(ルーカス・エリオット)
(※ネタバレ気味の内容あります。)
硫黄島2部作の第2弾。主な出演者はすべて日本人で、使われている言葉も日本語。ガヤがちょっと不自然なくらいで言葉に違和感はない。
日本陸軍の指揮官栗林中将と一等兵西郷。軍の最上部と下層部の二人の目を通して、硫黄島での激戦の様子が描かれる。
アメリカ留学の経験を持つ栗林は、他の士官たちと対立しながらも、合理的で冷静な判断のもと、奇策を講じて、圧倒的な数の米軍に立ち向かう。
イーストウッドは、「父親たちの星条旗」を撮影するにあたり硫黄島関係の資料をかき集め、その際栗林中将の存在を知り深い興味を覚えたという。
栗林に同調するのは、馬術競技の金メダリストである西中佐。伊原剛志は、馬を駆り、英語を話し、日本兵とは思えないくらいラフに軍服を着こなし最期は白いシャツ姿で、かなりいい役をかなりよく演じている。
でも、一番目が行くのは、やはり二宮和也が演じた一等兵の西郷だ。身ごもった妻を本土に残してきた元パン職人の青年。お腹の子に生きて帰ると約束をして出征する(二宮和也が、妻の腹部に顔を寄せてお腹の子に話しかけるシーンを見たときは、マキノ雅弘監督で高倉健主演の映画でこんなシーンを見たことがあるぞと思った)。しかし、彼はその約束が果たせないことを半ば悟り、終始醒め たような目で戦況を見てたんたんと軍務を果たす。が戦友や尊敬する上官に抱く思いはごく真っ当で熱い。彼を見ていると、本当にそのへんの青年が戦争にかり出されたんだなと思う。
海岸に居並ぶアメリカ大艦隊の偉容を目の当たりにしながら、西郷がトイレがわりの糞尿用バケツを岩の間に落としてしまいあせって拾うシーンがある。敵の大艦隊とうんこバケツ。この取り合わせがすごい。
1部でドクがずっと探していたイギーとおぼしきアメリカ兵。西中佐が指揮する隊に捉えられたアメリカの負傷兵サム。死を恐れアメリカ軍に投降する元特高の清水上等兵。
捕虜の生死は、アメリカ軍だから日本軍だからということではなく、そのとき居合わせた敵兵個人個人の腹ひとつで決まるという感じがする。と同時に映画においてはそれは、イーストウッド監督の腹ひとつでもある。
投降した日本兵に対しアメリカ兵がとった態度はこれまでのアメリカ映画にはありえなかったものだろうが、シャベルを振り回す西郷に対しては、アメリカ兵は戸惑いを見せる。海岸に並べられた担架に横たわりながら西郷は海を見る。 それは彼が見た最後の風景だったかもしれない。ただの海景色がとても悲しく映る。(2007.1)

おまけ:栗林中将が親米派で家族に絵手紙を送っていたことも、西中佐がロサンジェルスオリンピックの金メダリストでバロン西(西男爵)と呼ばれていたことも事実のようだが、二人して硫黄島の浜辺を歩きながら、西中佐が暴れ馬を手なづけた自慢話をし、西部の男のように豪快に笑いあったかどうかはさだかではない。
シマダス(日本離島センター発行)によれば、硫黄島は小笠原諸島父島の南南西275kmの太平洋上にある島。硫黄採掘のため明治20年代初めから日本人が入植、日本に帰属した。日米開戦後、昭和20年にアメリカ兵が上陸、約40日に渡る激戦で日本軍20,129人が玉砕、アメリカ兵も6,821人の戦死者を出した。昭和19年に本土に強制疎開された住民1,100人余りの帰島はまだ許されていない。現在、海上自衛隊、航空自衛隊隊員、施設工事関係者などが駐在している。西竹一中佐戦死の碑が、島の東海岸に建っている。彼は、1932年ロサンゼルスオリンピックの障害馬術で金メダルを獲得、バロン西として世界的に名を馳せたという。米軍上陸記念壁画「擂鉢山に星条旗を掲げる6人の兵士像」は島の岩肌に掘られている。2人削り取られて現在は4人になっているそうだ。

父親たちの星条旗 Flags of Our Fathers
2006年 アメリカ 132分
監督:クリント・イーストウッド
製作:スティーヴン・スピルバーグ
原作:「硫黄島の星条旗」「父親たちの星条旗」ジェームズ・ブラッドリー
出演:ドク/ジョン・ブラッドリー(ライアン・フィリップ)、レイニー・ギャグノン(ジェシー・ブラッドフォード)、アイラ・ヘイズ(アダム・ビーチ)、
イギー/ラルフ・イグナトウスキー(ジェイミー・ベル)、マイク・ストランク(バリー・ペッパー)、ハンク・ハンセン(ポール・ウォーカー)、ハーロン・ ブロック(ベンジャミン・ウォーカー)
太平洋戦争における硫黄島での戦いを、アメリカ側、日本側それぞれの視点から描く2部作の第1部。
硫黄島での日本軍との対戦のさなかに、島の丘の頂上に星条旗を立てた兵士たちの姿が写真に撮られた。6名の兵士のうち、3名は戦死し、ドク、ギャグノン、ヘイズの3人が生き残る。写真が反響を呼ぶと、彼等は戦地から本国に呼び戻され、戦争のヒーローとして国民に国債を買わせるための広告塔にしたてられた。
姿をみせない敵(日本軍)との死闘が続き、敵味方とも次々に倒れていく悲惨な戦場。ドクは、衛生兵という立場上、負傷し、死んでいく仲間の姿をまざまざと目にする。それとはうって代わって本国での3人は、華やかなパレードとショーとパーティに明け暮れる。
旗をたてただけでヒーローに祭り上げられた3人は、ヒーローと呼ばれることに居心地の悪さを覚え、死んだ仲間のことを思って、戸惑い、苦悩する。
実際に旗を立てたのは誰で、写真に写っているのは誰なのか。わかりやすい物語と違って、事実は、無駄に複雑できれいにまとまらない。
すっかり身を持ち崩したインディアンのアイラが、自分にとってはどうでもいいことのため、ヒッチハイクをしてテキサスまで行き、死んだ仲間の父親に会う。恐ろしくたんたんとしているが、とてもいいシーンだ。(2006.12)

ひと言(No.25):「父とその同輩たちが危険を冒し、傷を負ったのは仲間のためだった。彼等は国のために戦っていたのかもしれないが、友のために死んだのだ。」

ブラック・ダリア THE BLACK DAHLIA
2006年 アメリカ 121分
監督:ブライアン・デ・パルマ
原作:ジェームズ・エルロイ「ブラック・ダリア
出演:ブラッキー/ドワイト・ブライカート(ジョシュ・ハートネット)、リー・ブラチャード(アーロン・エッカード)、ケイ(スカーレット・ヨハンソ ン)、マデリン・リンスコット(ヒラリー・スワンク)、エリザベス・ショート(ミア・カーシュナー)、ラス・ミラード警部補(マイク・スター)、ラモー ナ・リンスコット(フィオナ・ショウ)、エリス・ロウ(パトリック・フィスクラー)、エメット・リンスコット(ジョン・カヴァノー)、ジョージイ(ウィリ アム・フィンリー)、テスト・フィルムの監督の声(デ・パルマ)
1947年にロサンジェルスで起こった殺人事件をめぐる警察暗黒小説を映画化。
華やかで人気者のリーと地味で物静かなブラッキーは、共に元ボクサー の経歴を持つロス市警の警官。ボクシング好きの検事が人気取りのために企画した試合で二人は対戦する。ブラッキーはKO負けするが、リーの所属する特捜部に迎えられる。リーの恋人ケイを交え、三人は親交を深めていく。
コンビを組んだリーとブラッキーは、殺人事件に遭った女性の惨殺死体を目にする。被害者は、ブラック・ダリアと呼ばれる女優志望の女性エリザベス・ショート。その後リーは取り憑かれたようにブラックダリア殺人事件の捜査にのめり込んでいく。
冒頭の水兵とメキシコ人の暴動、精神を病んだドイツ人のブラッキーの父親、ブラッキーの八百長、リーとケイの出会い、ケイのかつての愛人の出所と彼が盗んだ金に絡む恐喝事件、連続殺人犯ナッシュ、リーの過去(妹の死)、エ リザベス・ショートが関わったレズ映画、ブラッキーに近づくハリウッドの不動産王の令嬢マデリン、その一家に隠された秘密。原作では相応の量をもって記された要素の多くがさわりだけ見せられては次の話題に移っていく。入りきらないことは分かっている、でも、できるだけ入れとくんだ、という心意気だろうか、 ここまでやれば買ってもいいかという気にはなる。
で、結局よくわからないままごたごたと展開していくのだが、主要三人の微妙な関係と、肝心なリンスコット家の話はちゃんと説明されるのでわかる。
画面は、若干セピア系でスタイリッシュ。リーもケイもブラッキーもマデリンもブラック・ダリアもおしゃれできれいだ。
ブラッキーは原作では、いつも冷静で控えめ、容姿に自信がない男ということになっている。マット・ディモンあたりを想像していたので、ジョシュ・ハートネットじゃ男前すぎると思ったのだが、思い悩むジョシュ、なかなかよかった。
無声ホラー映画「笑う男」を見ておびえるスカーレット・ヨハンソン。 クレーンを使った画面の大移動や、影で犯人を見せる階段吹き抜けの殺人などは、監督の味。
何回となく映写される、テスト・フィルムの中のエリザベス・ショートが美しく、切ない。(2006.10)


グエムル 漢江(ハンガン)の怪物 The Host 怪物
2006年 韓国 120分
監督:ボン・ジュノ
出演:パク・カンドゥ(ソン・ガンホ)、パク・ヒボン(ピョン・ヒボン)、パ ク・ナミル(パク・ヘイル)、パク・ナムジュ(ペ・ドゥナ)、パク・ヒョンソ(コ・アンソ)、セジュ(イ・ドンホ)、グムエル
グエムルは、エイリアンからメタリックな部分をとって魚にしたような比較的小型の怪物。CGを駆使して走るとこなど、「ジュラシック・パーク」のラプトルの暴走を思い出させる。
この怪物にさらわれた中学生の女の子ヒョンソを助けるため、貧乏な家族が立ち上がる。ヒョンソの父親は、茶髪でぐうたらなカンドゥ、大卒のフリーターのナミルはその弟、今一歩のところで試合で敗れたアーチェリーの選手ナムジュは妹、漢江の河川敷で小さな売店を営む老人ヒボンは彼らの父親でヒョンソの祖父にあたる。彼らは、怪物によるウィルス感染の疑いをかけられて収容された病院を脱走し、地下下水道の中を怪物とヒョンソの姿を求めて走り回る。その庶民ぶりが楽しい。逃走中に自宅に戻ってみんなでカップラーメンを食べたり、すぐけんかしたり、老父が説教したり。
笑うとこで笑えず、大まじめなとこで笑いたくなる。アメリカ映画に時として見られる大雑把さとは別の、中国映画と共通するようなアジア大陸的大雑把さとでもいうものを感じる。その一方で、携帯電話、地図、アーチェリー、注射器、火炎瓶の利用などの細部に気の利いた心遣いをたしかに感じる。不思議な味わいのある作品である。(2006.9)


ダ・ヴィンチ・コード The Da Vinci Code
2006年 アメリカ 150分
監督:ロン・ハワード
原作:ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード
出演:ロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)、ソフィー・ヌブー (オドレイ・トトゥ)、シラス(ポール・ベタニー)、リー・ティービング卿(イアン・マッケラン)、ファーシュ警部(ジャン・レノ)、アリンガローサ司教 (アルフレッド・モリーナ)、レミー(ジャン・イヴ・ベルトルート)、コレ警部補(エチエンヌ・シコ)、ソニエール(ジャン=ピエール・マリエール)
ルーブル美術館館長ソニエールが何者かによって射殺された。死の間際、彼は館内の絵と自らの身体を用いてダイイング・メッセージを残す。
メッセージに名が残されていたことから容疑者としてパリ警察に追われる立場に陥った大学教授ラングドンは、暗号解読者ソフィの協力を得て犯人捜しをすることに。
ルーブル美術館内に残された暗号の謎をたぐる冒頭から、話は、てんこもりの謎の解明をひたすら消化していくような展開。原作は読んでいないのだが、壮大な謎解きに関しては、ダ・ヴィンチの絵の写真などを眺めながらいろいろ細部を確認しつつ、原作の小説をゆっくり読んでいくのが一番楽しめるのではないかと思われる。
が、大画面に映し出される絵画や建造物は美しく重厚であり、役者の顔もまたいちいち よい(個人的な好みだが)ので、見応えはかなりある。
ルーブル美術館やテンプル教会やウェストミンスター寺院やロスリン教会など歴史的建造物を一挙に見られるのは、映画ならではという感じがする。
そして次から次へと登場する濃い顔のおじさんたち。老けを感じさせる(わざと?)トム・ハンクスのしかめ面。いつにもまして髭の濃さが目立つような気がするジャン・レノの融通のきかない警部と、その横でよい味を出している部下のコレ警部補。「マスター・アンド・コマンダー」では知的で頼りがいのある軍医を好演していたポー ル・ベタニーが一転、「天使」と呼ばれる歴然と危ない刺客シラスを演じ、「スパイダーマン2」でタコ人間オク・ドッグを怪演していたモリーナは太めの陰鬱な顔のままシラスの師である司教を演じる。アルミの杖をつく歴史研究家の紳士ティービングはカンダルフ(「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ)でありマグニート(「X−men」「X−men2」)でもあるイアン・マッケラン、その執事レミーも地味に怪し気でよい。(2006.5)


夢駈ける馬ドリーマー Dreamer: Inspired by a True Story
2006年アメリカ 96分
監督:ジョン・ゲイティンズ
出演:ベン・クレーン(カート・ラッセル)、ケール・クレーン(ダコタ・ファニ ング)、リリー・クレーン(エリザベス・シュー)、ポップ・クレーン(クリス・クリストファーソン)、マニー(フレディ・ロドリゲス)、バロン(ルイス・ ガスマン)、パーマー(デイヴィッド・モース)、サディール王子(オデッド・フェール)、ソーニャドール(サクリファイス、ハーバーミスト、ゴージョン)
アメリカ、ケンタッキー州。クレーン家は、かつて豊かな牧場を経営していたが、今は馬が一頭もいず、牧場はさびれていた。
調教師をして生計をたてていたベンは、馬主ともめてクビになり、前足を骨折した競走馬ソーニャドールを家の牧場に引き取った。ベンの10歳の娘ケールは、ソーニャをかわいがり、やがて再起した彼女の馬主となり、ブリーダーズカップという大舞台のレース出場を決意する。
故障した競走馬の再起によって、周囲の大人たちもそれぞれに失ったものを取り戻していく。最後はレースで盛り上がる。アメリカの田舎の風景に心がなごむ。
カート・ラッセルが、地味な専門家を静かに演じて良い感じ。子どもの作文に涙ぐむ親ばかぶりにも好感が持てる。ダコタ・ファニングは相変わらずの小生意気ぶりを発揮し、怖い物知らずで大人たちをやりこめる。(スポンサーと商売の話をする時くらい、その場にいる大人の誰かが「ほおづえをつくんじゃない。」と注意しろよ、と思った。)
クリス・クリストファーソンが、孫とは仲がいいが、息子とはうまくいっていない老人役で登場。カート・ラッセルとよく似ていて、ほんとの親子っぽい。仲間のメキシコ人コンビもよかった。落馬が原因で レースに出られなくなったマニーが騎手として復活するのは気持ちがいい。(2006.6)


プロデューサーズ The Producers
2006年 アメリカ 134分
監督:スーザン・ストローマン
制作・脚本・作詞作曲:メル・ブルックス
出演:マックス(ネイサン・レイン)、レオ(マシュー・ブロデリック)、ウーラ(ユマ・サーマン)、フランツ(ウィル・フェレル)、ロジャー(ゲイリー・ ビーチ)、カルメン(ロジャー・バート)
パロディ映画で有名なメル・ブルックスが、1968年の映画「プロデュー サーズ」をブロードウェイのミュージカルにして大ヒット、さらにそれを映画化した作品。
落ち目のプロデューサー、マックスとしがない会計士レオは、一夜でこける最低のミュージカルをプロデュースし、制作費を持ち逃げするという計画を思いつく。ネオ・ナチスのフランツが書いた脚本を採用し、ニューハーフの役者ロジャーが率いるスタッフ集団を雇い、事務所にひょっこり現れたダンサー志望のスウェーデン美女ウーラを加えて、彼らの悪企みは着々と進行していく。
「珍説世界史PARTT」(1981)の最後についている嘘の予告編に登場した「氷上のヒトラー」(ヒトラーの格好をした男が単にフィギアスケートをする)がかなりおかしかったのを思い出した。
歌い踊るおじさんたちが愉快。ユマ・サーマンがひたすら色っぽい長身の美女を演じている。「キル・ビル」の印象が濃厚なだけに、新鮮だ。
後半、投獄されたマックスが監獄でこれまでのシーンを回想して恨み言を歌うところがおもしろい。これでおしまい?と思ったらその後もえんえんと続くのだが。このだらだら続く感じもなんかメル・ブルックス風味。(2006.5)


アサルト13 要塞警察 Assault on Precinct 13
2005年 アメリカ 110分
監督:ジャン=フランソワ・リシェ
脚本:ジェームズ・デモナコ
出演:ジェイク・ローニック(イーサン・ホーク)、ビショップ(ローレンス・フィッシュバーン)、ジャスパー(ブライアン・デネヒー)、アイリス(ドレ ア・ド・マッテオ)、アレックス(マリア・ベロ)、ベック(ジョン・レグイザモ)、スマイリー(ジェフリー“ジャ・ルール”アトキンズ)、アンナ(アイー シャ・ハインズ)、デュバル(ガブリエル・バーン)
吹雪に見舞われた大晦日の夜のデトロイト。老朽化して取り壊し直前の13分署には、巡査部長のジェイク、老警官ジャスパー、秘書のアイリス、ジェイクのカウンセラーを務める医師アレックスの4人がいた。悪天候のため、護送を中断した護送車が避難してきて、13分署は犯罪者たちを一時収容することに。その中には、暗黒街の大物ビショップも含まれていた。
新年を迎えた直後、13分署は謎の武装集団から突然襲撃を受ける。ボスの奪還を目的とするビショップの仲間かと思われたが、彼らはなんと警官のバッジを身につけていた……。
助けを呼ぶ手段をことごとく断ち切られ、13分署は完全に孤立。圧倒的に不利な状況で敵に対抗するため、ジェイクは、留置所の犯罪者たちと手を組むことにした。
とにかく、銃撃戦やり放題。おとり捜査中に仲間を殺された過去の苦い経験から立ち直れないでいるジェイクが、突然訪れた危機にいかにして立ち向かうか、さらに大物犯罪者ビショップとどんなふうに渡り合うかという点もみどころ。 イーサン・ホークは、あまり二枚目じゃないところがいい。硬さと重量感に満ちたフィッシュバーンの存在感もすごい。
雪を踏む音がきしむ林の中のラストもよい。
ジョン・カーペンター監督の傑作「要塞警察」(1976年)をオリジナルとする。閉ざされた空間で襲撃を受け、警官と犯罪者が手を組んで戦うという設定が同じ。オリジナルでは、リー ダーとなる警官がブッシュという名の黒人だった。(2006.2)

他に似たような設定の映画:「ゴースト・オブ・マーズ」(2001年アメリカ、監督:ジョン・カーペンター)、「スズメバチ」(2002年フランス、監督:フローラン・エミリオ・シリ)

フライトプラン Flightplan
2006年 アメリカ 98分
監督:ロベルト・シュヴェンゲ
出演:カイル(ジョディ・フォスター)、ジュリア(マーリーン・ローストン)、カーソン公安委員(ピーター・サースガード)、リッチ機長(ショーン・ビー ン)、フィオナ(エリカ・クリステンセン)、ステファニー(ケイト・ビーハン)
ベルリンに住む航空機設計士のカイルは、6歳の娘ジュリアとアメリカ行きの飛行機に乗った。3日前に亡くなった夫の亡骸を運ぶためだった。
ところが、仮眠をとっているわずかな間に、ジュリアがいなくなってしまう。 カイルは機長と掛け合い、搭乗員が総出で機内を捜索することに。しかし、ジュリアは見つからない。ジュリアを覚えている人間は機内に一人もいず、さらに搭乗記録にも彼女の名前はなかった。カイルは、迷子の娘を捜す母親から、一転して頭のおかしい危険人物と見なされることに。
前半の、最初は小さかった不安がどんどんどんどんふくれあがって、最悪の事態になっていく過程は、はらはらさせられっぱなし。取り乱して機内中の人間から胡散臭い目で見られ追いつめられたカイルはアップの髪がほつれすっかりくたびれたおばさんという風体になってしまうが、窓ガラスに残ったジュリアの痕跡に勇気づけられ、髪を下ろしてTシャツ姿になると、戦う母の気概に満ちてくる。
一体どんな理由でこんな事態が起こるのかという疑問が、予告編を見たときから先行していた。どう考えても釈然としない結果しか得られないのではないかという予感がして、それはその通りであったが、まあいいかなと言う感じ。しか し、もうちょっとカイルに手をさしのべる人がいてもよかったような。前の座席にいた悪ガキたちとか。
ショーン・ビーンもカイルの役には立たなかったけど、渋くて立派な機長を好演。

飛行機は、主に逃げ場のない密室空間として使われているので、「飛ぶ」ことの快感は得られない。
参考作品:「バルカン超特急」(1938年 監督:アルフレッド・ヒッチコック)

キング・コング King Kong
2005年 アメリカ 188分
監督:ピーター・ジャクソン
出演:アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)、カール・デナム(ジャック・ブラック)、ジャック・ドリスコル(エイドリアン・ブロディ)、プレストン(コリン・ ハンクス)、バクスター(カイル・チャンドラー)、イングルホーン船長(トーマス・クレッチマン)、ヘイズ(エヴァン・パーク)、ジミー(ジェイミー・ベ ル)、ランピー/コング(アンディ・サーキス)
もりだくさん、いろいろ行き届いている映画で、3時間の長丁場を飽きずに楽しんだ。
1933年のニューヨーク。新作の主演女優を捜していた映画監督デナムは、 劇場が閉鎖され路頭に迷っていた喜劇ダンサー、アンをスカウトした。彼は、幻の島スカル・アイランド(髑髏島)で冒険映画のロケを敢行すべく、スタッフ・ キャストを率いてイングルホーン船長の船に乗り込む。
なんとかたどり着いた髑髏島には奇怪な生物が多数生息していた。アンは、巨大なゴリラ、キング・コングに連れ去られ、彼女を追うロケ隊と船乗りたちも次々と危機に襲われる。
大変なことになっているのに、目を見開いて一人もくもくとカメラを回す(手でハンドルを回す古いタイプのカメラである)デナムがおかしい。強引で自分勝手でかなり嫌な奴なのだが、ルックスで得をして何故か人を引き付ける。
さらに、船のクルーや撮影隊のメンバーがひとりひとりよい。
様々な恐竜が惜しげもなく次から次へと出てくるので、恐竜好きにはかなりお得。草食の大型恐竜ブロントザウルスが暴走し、その前を人間が逃げ、途中で小型のヴェロキラプトルが混じってくるシーンがすごい。ティラノザウルスとコングの対決もあるし、島で独自の進化を遂げたということでオリジナルの恐竜も姿を見せる。
コングがニューヨークに運ばれてきてからは、コングがひたすらビルの上を目指して登り続け、高い所好き(?)の気持ちをわくわくさせてくれる。(2006.1)


Mr.& Mrs.スミス Mr. & Mrs. Smith
2005年 アメリカ 118分
監督:ダグ・リーマン
出演:ジョン・スミス(ブラッド・ピット)、ジェーン・スミス(アンジェリーナ・ジョリー)、エディ(ヴィンス・ヴォーン)、ジャスミン(ケリー・ワシン トン)、ダンズ(アダム・ブロディ)
プロの殺し屋ジョンとジェーンは、それぞれ真の職業を秘密にしたまま結婚した。5、6年たって結婚生活にいささか嫌気が差し始めたころ、二人は敵同士となって、互いの正体を知ることに。
セクシーで豪快な女殺し屋アンジェリーナ・ジョリーに終始押され気味のブラッド・ピットがいじらしい。家庭の中で繰り広げられる凄まじい夫婦喧嘩。こういう場面で先に折れるのはもはや男の特権?と思いつつも、ピットが切り出す絶妙のタイミングに胸がきゅんとなる。
ヴィンス・ヴォーンが、のんきな相棒役で出ていてうれしい。(2006.1)

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