みちのわくわくページ

○ 映画(〜2000年) さ行   

<日本映画・外国映画、あいうえお順>
さらば愛しき女よ(1976)、 
仁義なき戦い 頂上作戦(1974)、 仁義なき戦い 完結篇(1974)、 昭和残侠伝シリーズ(1965〜)、 
散弾銃(ショットガン)の男(1961)、 十三人の刺客(1963)、次郎長三国志シリーズ(1952〜54、1963〜65)、 関の弥太っぺ(1963) 

シシリアン(1999)、 静かなる男(1952)、 空の大怪獣ラドン(1956) 

さらば愛しき女よ Farawell, My Lovely
1976年 アメリカ 95分
監督:ディック・リチャーズ
原作:レイモンド・チャンドラー「さらば愛しき女よ」
出演:フィリップ・マーロウ(ロバート・ミッチャム)、ムース・マロイ(ジャック・オハローラン)、ヘレン・グレイル(シャーロット・ランブリング)、バクスター・ウィルソン・グレイル判事(ジム・トンプソン)、ジョージー(ジミー・アーチャー)、ジェシー・ハルステッド・フロリアン(シルヴィア・マイルズ)、レアード・ブルーネット(アンソニー・ザープ)、ジョニー(シルヴェスター・スタローン)、ベルマ(?)、
ナルティ刑事部長(ジョン・アイアランド)、ビリー・ロルフ刑事(ハリー・ディーン・スタントン)
DVD(復刻シネマライブラリー:株式会社ディスクロード)を買ったので家で久しぶりに見た。(ライナーノートを書いているのは、西部劇の愛好家サークル「ウエスタン・ユニオン」の仲間である布施亜紀(なりつぐ)氏であるが、これが12ページにわたる労作で、判事役を犯罪小説の名手ジム・トンプソンが演じているなど、コアな情報が満載である。)
出所したての大男ムース・マロイにヴェルマという名の女を探してくれと依頼された探偵フィリップ・マーロウは、彼女の名と彼女が以前働いていた店の名のみを手がかりに探し始める。
ハードボイルドと言いながら実はおセンチでものうい、チャンドラーの小説のムードが満載の映画である。
巨漢のギャング、マロイの武骨で一途なヴェルマへの想いが哀愁を誘うが、マーロウとナルティ刑事との関係や、父親を亡くした野球少年に対してマーロウが見せる気遣いなども、ウェットでしみじみした気分を味わわせてくれる。(2017.5)


<仁義なき戦い>シリーズ作品
仁義なき戦い(1973)  監督:深作欣二 脚本:笠原和夫
仁義なき戦い 広島死闘篇(1973)  監督:深作欣二 脚本:笠原和夫
仁義なき戦い 代理戦争(1973)  監督:深作欣二 脚本:笠原和夫
仁義なき戦い 頂上作戦(1974)  監督:深作欣二 脚本:笠原和夫
仁義なき戦い 完結篇(1974)
 監督:深作欣二 脚本:高田宏治
関連本:「映画はやくざなり」(笠原和夫)

仁義なき戦い 頂上作戦
1974年 東映  98分
監督: 深作欣二
原作: 飯干晃一
出演:広能昌三(菅原文太)、武田明(小林旭)、岩井慎一?(梅宮辰夫)、岡崎(小池朝雄)、藤田(松方)、ひろし(小倉)、八名信夫、打本(加藤武)、山守(金子信雄)、槇原(田中邦衛)、江田(山城新伍)
新文芸坐の松方弘樹追悼特集で久しぶりに見る。
仁義なき戦いシリーズにおいて、松方弘樹は3回違う役で出ているが、本作で演じる病気持ちのまじめなやくざ藤田は、もっとも地味で渋めの役どころである。
敵味方の筋がぐちゃぐちゃになって抗争激化の様相を呈してきたところで、警察の頂上作戦によって幹部が逮捕され、クライマックスは血で血を洗う大激突、とはならないのが、フィクションではなく実録のなせる展開であり、それがまたさらにすっきりしない感じになって、本シリーズの味となる。寒風が吹きこむ拘置所の廊下での武田と広能のやりとりに、再び痺れた。(2017.4)

仁義なき戦い 完結篇
1974年 東映  98分
監督: 深作欣二
原作: 飯干晃一
脚本: 高田宏治
出演:<呉・広能組>広能昌三(組長。菅原文太)、氏家厚司(若頭。伊吹吾郎)、佐伯明夫(桜木健一)、水本登 (野口貴史)清元忠(寺田誠)、<呉・市岡組>市岡輝吉(広能と兄弟分。松方弘樹)、神戸泰男(唐沢民賢)、完方良三(白川浩三郎)
<広島・天政会>武田明(天政会会長、武田組組長。小林旭)、松村保(天政会理事長→会長代理→会長・武田組。北大路欣也)、かおる(杉田の娘。のち松村の妻。野川由美子)、大友勝利(天政会副会長・大友組組長、反松村。宍戸錠)、間野豊明 (大友組若頭。山田吾一)、早川英男(天政会幹事長・早川組組長、大友寄り。織本順吉)、久保田市松(早川組若頭。高並功)、加賀亮助(早川組。八名信夫)、江田省一(天政会理事。江田組組長。山城新伍)、金田守(江田組。木谷邦臣)、愼原政吉(天政会理事・呉・愼原組。田中邦衛)、鶴達男(愼原組。国一太郎)、守屋等(愼原組。川谷拓三)、杉田佐吉(天政会参与。経理担当。鈴木康弘)、山守義雄(金子信雄)、
<ほか>河野幸二郎(天津敏)、大久保憲一(内田朝雄)、千野巳代次(旅人。曽根晴美)
浅草名画座閉館前日に見た。
シリーズ完結編。第二次広島抗争は、第四作で終焉を迎え、その後の話となっている。
天政会の内輪もめと、会に不参加の広能組・市岡組との抗争が描かれる。
いまさら私などがごちゃごちゃ書くものでもないので、手短に。久しぶりにいきなり完結篇だけ見ても、やはり血がたかぶる映画である。武田と広能がホテルで話すシーンに、ぞくぞくする。松方、北大路、伊吹、宍戸、織本、男たちが、ひたすらかっこいい。(2012.10)


散弾銃(ショットガン)の男
1961年日本 日活 84分
監督:鈴木清順
主題歌:「夕日に立つ男」「ショットガンの男」(唄:二谷英明)
出演:渡良次(二谷英明)、奥村節子(芦川いづみ)、政(小高雄二)、春江(バーのママ。南田洋子)、西岡(西岡製材所社長。田中明夫)、奥村(私設保安官。高原駿雄)、鎌(悪党3人組の1人。江幡高志)、勝(3人組の1人。郷^治)、寅(3人組の1人。野呂圭介)、黒沼(商店主。佐野浅夫)、金(嵯峨善兵)、村長(浜村純)、アコーディオン弾き(織田俊彦)
ロケ地:天竜川大森林地帯、岐阜県中津川市(高樽の滝、付知川上流域)、神奈川県丹沢 (by日活データベース)

チャンネルねこで放映していたのを録画して見る。
散弾銃を持った男良次が、山間の製材所を訪れる。彼は、恋人を殺した男を追っていた。
製材所で働くのは荒くれ者の男たちで、中でも政は何かにつけて良治と対立した。政は、血の気の多い男で、いいヤツなのか、実は良治の恋人を殺した犯人なのか、判断のつきかねるところで引っ張る(意外な正体はラスト近くで明らかにされる)。また製材所の社長西岡が用心棒として雇っている前科者3人組も怪しげである。村には警官がおらず、何者かに妻を殺された奥村が、犯人を見つけるため私設保安官となっていたが、気の弱い彼は製材所の男たちからバカにされていた。
小さな村なのにやたら人がいて割と大きな酒場がある。酒場には、ピアノ弾きならぬアコーディオン弾きのおじいさんがいて、途中、良治はそのアコーディオンを借りて、夕焼けをバックに唐突に歌を歌ったりもする。
芦川いづみは、良治を慕う清純な娘節子を演じ、南田洋子は対照的なバーのママの春江を奔放に演じて気持ちがよい。
前科者3人組が、日活アクションならではの面構えでたいへんよい。
山の中に西部劇のような岩場があったり、突然一面のお花畑(実はケシの密栽培畑)が出てきたりするかと思うと、最後は海に出て波打ち際での格闘になる。芦川いづみが砂浜を走りに走って、良治に追いすがる。
話はとっちらかってとりとめなく進むが、なんだかその野放図さに余裕が感じられてこんなのびのびした映画の作り方は今は到底できないのだろうなとも思い、おもしろいといえばおもしろい。(2017.2)

シシリアン 虐殺の地 VWNDETTA
1999年 アメリカ(TVM) 120分
監督:ニコラス・メイヤー
出演:ガスパル・マチェシ(アレッサンドロ・コーラ)、アントニオ・マチェシ(ガスパルの父。ピエリーノ・マスカリーノ)、マチェカ(イタリア人実業家。ジョアキン・デ・アルメイダ)、トーマス・シムズ弁護士(ブルース・デイビソン)、オマリー(シムズの調査員。ダラフ・オマリー)、ヴィンセント・プロペンザーノ(アンドレア・デ・ステファーノ)、ジョバンニ・プロペンザーノ(ヴィンセントの兄、リチャード・リヴェルティニ)、トニー・プロペンザーノ(ジョバンニの息子、スチュアート・ストーン)、ミーガン(ミーガン・マッケズニー)、サミュエル(黒人の農夫、ニゲル・ショウン。ウィリアムズ)、ヘネシー警察署長(クランシー・ブラウン)、
ジェームズ・ヒューストン(クリストファー・ウォーケン)、パーカーソン(ルーク・アスキュー)、ルーゼンバーグ検事(エドワード・ハーマン)
1890年代のアメリカ、ニューオリンズで実際に起こった、市民による凄惨なイタリア移民私刑事件を描く。
両親と共にシチリアからニューオリンズにやってきたガスパルは、イタリア人実業家マチェカが経営する市場の一角に売り場を借り、一家で働く。ガスパルは、市場にくる少女ミーガンに淡い恋心を抱いたり、黒人の農夫のサミュエルや市場で反目するプロペンザーノ一家のトニーと友達になったりと、新天地での生活になじんでいく。
移民が増え、マチェカの事業は繁盛していたが、地元の実業家ヒューストンは、これを快く思わず、事業の乗っ取りを企む。市長とともに警察署長のヘネシーを抱きこもうとするが、自身もアイルランド移民であるヘネシーは、権力におもねることなく、警官としての正義を通そうとする。やがてヘネシーが暗殺され、ヒューストンらの画策により、マチェカやガスパル父子ら数名のイタリア移民が容疑者として逮捕される。
無実の罪を着せられそうになった彼らだが、マチェカの知己である敏腕弁護士シムズと有能な調査員オマリーが彼らのために奮闘する。ヒューストンと市長寄りの検事ルーゼンバーグと、シムズの法廷での対決は、見応えのある裁判劇となる。マチェカが祈った通り、法は勝つ。
が、これにより法を超えた暴力が、行使されることになる。裁判の結果に激怒したヒューストンは、市長を使って民衆を煽り、その結果、普通の人々により、壮絶な「公開処刑」が行われていく。
よそ者を排除しようとする民衆の勢いは不気味で恐ろしい限りである。これまでなじんできたガスパルの仲間の大人たちが次々と民衆の手によって容赦なく処刑されていく様子は、かなりハードで衝撃的である。
ビデオケースには、クリストファー・ウォーケンのアップが載っているが、彼の役は己の利益のみを追う非情な白人のボス。白いスーツで、民衆を地獄の行為へと駆り立てる徹底した悪役で、その後報いも受けず、思惑通り事業を乗っ取って大成功したとある。なんとも後味の悪いことだが、事実なのでいたしかたないということか。(2012.1)


静かなる男 The Quiet Man
1952年 アメリカ 129分
監督:ジョン・フォード
音楽:ヴィクター・ヤング
出演:ショーン・ソーントン(ジョン・ウェイン)、メアリ・ケイト・ダナハー(モーリン・オハラ)、レッド・ウィル・ダナハー(ヴィクター・マクラグレン)、ロネガン神父(ウォード・ボンド)、ミケリーン(バリー・フィッツジェラルド)、サラ・ティーレン(ミルドレッド・ナトウィック)、プレイフェア牧師(アーサー・シールド)、エリザベス・プレイフェア(アイリーン・クロウ)、ポール神父(ジェームズ・オハラ)、ポール神父の母(メエ・マーシュ)、ダン・トビン(酔っ払いの老人。フランシス・フォード)

「ジョン・フォード生誕120年上映」という企画で、「駅馬車」と本作が劇場公開され、久しぶりに見る。映画館での鑑賞は初めて。リマスター版で、アイルランドの緑がとてもきれいだった。
アメリカの元ボクサー、ショーン・ソーントンは、幼いころに出た故郷のアイルランドの村イニスフリーに久しぶりに戻ってきた。
彼は、かつて住んでいた家を買い取り、修繕してそこで暮らし始めるが、隣に住むダナハー家の美しい娘メアリ・ケイトに一目惚れする。
豊かな緑にモーリン・オハラの赤い髪と赤いスカートが映える。
ジョン・ウェインは、壁や靴の裏などを使ってマッチに火をつけ、たばこに点火し、マッチを投げ捨て、たばこを吸って、たばこを投げ捨てる。腕を往復させるジョン・ウェイン独特のものを投げ捨てるしぐさが何度も堪能できる。
ショーンは、出会って早々にメアリに結婚を申し込むが、彼女の兄で、一家の長であるレッドは、ショーンを嫌い、二人の結婚に反対する。乱暴者の巨漢であるレッドとの諍いを避けるショーンを、メアリは臆病者と思うが、ショーンはボクシングの試合で対戦相手を死なせてしまったことがあり、心に傷を負っていたのだった。
ショーンは、唯一彼の正体に気付いたプレイフェア牧師に相談をする。ウォード・ボンド演じる豪快なカソリックの神父の陰に隠れてしまっているようだが、この地味なプロテスタントの牧師さんもなかなかよかった。
 旧弊な慣習を重んじつつも、酒好きで気のいい村人たちは、ショーンとメアリの恋の行方を見守り、ショーンとレッドの対決に大いに盛り上がり、村はお祭り状態となる。
 物語後半に大男同志の殴り合いが延々と展開する、至極豪快なホームドラマだ。 (2014.10)


空の大怪獣ラドン
1956年 日本 東宝 82分 スタンダード カラー
監督:本田猪四郎
特技監督:円谷英二
音楽:伊福部昭
出演:川村繁(佐原健二)、キヨ(白川由美)、西村(小堀明夫)、柏木久一郎(平田昭彦)、伊関(記者。田島義文)、葉山(松尾文人)、須田(草間璋夫)
和光市民文化センターで開催された伊福部昭生誕百年祭の映画祭で見る。
いわずとしれたラドン。
前半は、九州、阿蘇地域の炭坑の中で起こった坑夫の連続殺人事件に端を発する謎を巡ってミステリ仕立てで話が進む。
やがて、巨大なヤゴのような生物メガヌロンがあっけらかんと姿を見せるが、こんなのがいきなり出てきたらそれは驚くはというくらいそこそこ大きさのある不気味な怪物である。
が、メガヌロンは単なる前振り、その後、各地で原因不明の災害が起こる。
真相を究明しようと炭坑の奥深く進んでいった技師の川村は、そこから遠く離れた草原で記憶喪失の状態で発見される。
阿蘇の砂千里で恋人の写真を撮っている最中に被害に合って死んだ若者は、カメラの中に謎の物体が写り込んだ写真を遺していた。
子どもの頃テレビで観て、写真の端に影のような翼の一部が写っていて、それが博士の助手が持ってきたプテラノドンの資料のイラストの翼と一致するところでかなり興奮したのを覚えている。今見ると、なんで向きも縮尺もいっしょやねん!と思いつつ、ここはやっぱりよかった。
やがてラドンがその巨大な姿を見せ、それからはラドン退治の話になり、阿蘇の火口での有名な悲しいラストへと続く。
ラドンの攻撃はほぼ翼を煽ぐことによって起こす風のみ。ものすごく強い風で町の建物が次々に吹き飛ばされていく特撮は、やはりすごかった。見応えがあった。 (2014.4)

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