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○ 映画(〜2000年) な行   

<あいうえお順>
2001年宇宙の旅(1968)、 二十四の瞳(1954)、 熱砂の秘密(1943)

2001年宇宙の旅  2001:A Space Odyssey
1968年 アメリカ/イギリス 148分
監督:スタンリー・キューブリック
原作:アーサー・C・クラーク
脚本:スタンリー・キューブリック、アーサー・C・クラーク
出演:デイヴィッド・ボウマン(デスカバリー号船長。ケア・デュリア)、フランク・プール博士(ゲイリー・ロックウッド)、ヘイウッド・R・フロイド博士(ウィリアム・シルヴェスター)、HAL9000(声:ダグラス・レイン)

この歳にして、ついにDVDで初めから終わりまでちゃんと見る。
映画を見るというよりは、映像の鑑賞。はらはらどきどきはしないし、さほどおもしろくないが、きれい。洗練されているというのはこういうことを言うのかと思う。宇宙空間の無音で空漠な感じがすごくよく出ていた。コンピュータHALも、「ツァラトウストラはかく語りき」も、この映画に関わるものとして、世間一般で有名になりすぎていて、ああ、これがそうかと逆行の感があった。ラスト、延々と続くグラフィックによる異星人との接触は結局よくわからないのだが、よくわからない結末はインテリSF小説にもよくありがちなことで、それを映像で表すとこんなふうになるかと思った。(2015.8)

二十四の瞳
1954年 日本 松竹 156分 
監督:木下恵介
原作:壺井栄「二十四の瞳
※出演と年譜のところで、それぞれの子どもたちがどうなったか書いています。子どもたちの行く末を知りたくない方は映画を見てから読んでください。
出演:大石久子(高峯秀子)、大石先生の母(夏川静江)、大石先生の夫(天本英世)、大吉(長男)、並木(次男)、八津(末の女の子)、
男先生(笠智衆)、男先生の奥さん(浦辺粂子)、校長先生(明石潮)、
12人の子どもたち(1年生時、5年生時、青年期以降。):相沢仁太/ニクタ(佐藤国男、佐藤武志、清水龍雄。)、岡田磯吉(郷古秀樹、郷古仁史、田村高廣。)、竹下竹一(渡辺五雄、渡辺四朗、三浦礼。)、徳田吉次/キッチン(宮川真、宮川純一、戸井田康国。)、森岡正/タンコ(寺下雄朗、寺下雄章、大槻義一。)、香川マスノ/マちゃん(石井裕子、石井シサ子、月丘夢路。旅館の娘。歌手志望。)、片桐コトエ(上原博子、上原雅子、永井美子。病死。)、加部小ツル(田辺由実子、田辺南穂子、南眞由美。産婆。)、川本松江/マッちゃん(草野節子、草野貞子、井川邦子。大阪の飲食店勤め。)、木下富士子/フジちゃん(神原いく子、尾津豊子。元庄屋の娘、家が破産して行方不明。)、西口ミサ子/ミーさん(小池泰代、小池章子、篠原都代子。お金持ちの奥さん。)、山石早苗(加瀬かをる、加瀬香代子、小林トシ子。本校の教師。)、
小豆島へ行く機会があったので、DVDを借りて見た。島の遠景が美しく、涙涙のお話かと思っていたらそうでもなく、さらっとしつつも、幼い子供たちの過酷な境遇や戦争の悲惨さを訴えていて、力強かった。
大石先生の家がある場所のシンボルが、小説では一本松だったが、映画では醤油精製所の煙突になっていた。
小説同様、子どもたちが先生のお見舞いに行ったときに撮った写真が、映画でも後々重要なポイントになるのだろうと思っていたが、やはり何度も写真が出てきた。ただ、私は、最後の同窓会で、盲目となった磯吉が指で写真をたどるときに、磯吉の指と写真のアップの映像を想像していたのだが、それはなかった。その代わり、写真は病床にあるコトエのシーンでとても丁寧に出てくる。小説では、コトエは伝染病にかかり、家族から隔離され、ろくな看病もされないままさびしく死んだということを大石先生が後から伝聞で知るだけとなっていたが、映画では、大石先生が病床のコトエを訪ねるシーンがあって、ちょっと救われる思いがした。余命いくばくもないコトエは、部屋に飾った写真を見て過ごしている。先生と12人の子どもたちの顔が一人一人、アップで示される。このとき、観客の目にもこの写真の映像が植えつけられる。そして、ラストの同窓会のシーンでは、写真が全面に出てくることはない。観客も記憶の中で写真を蘇らせることで、写真を指でたどる盲目の磯吉と同化せよと言われているように思われた。そして、おもむろにマスノが「浜辺の歌」を歌い出す。聴覚を通して伝わってくる思い出により、さらにその同化は進むのだった。(2014.10)
○映画の中で歌われる唱歌など
「仰げば尊し」「村の鍛冶屋」「ふるさと」「汽車は走る」「ちょうちょう」「七つの子」「ひらいたひらいた」「あわて床屋」「春の小川」「ちんちん千鳥」「荒城の月」「金毘羅船々」「浜辺の歌」「若鷲の歌」「朧月夜」「埴生の宿」ほか
○年譜
昭和3年。大石先生、岬の分教場に赴任し、1年生12人の担任となる。足を負傷、こどもたちがお見舞いに行く。
昭和8年。大石先生と5年生になった12人の子どもたち、本校で再会。松江、母が病死し、大阪へ奉公に行く(実は高松)。
昭和9年。大石先生と11人の6年生、修学旅行で金毘羅参り。瀬戸内海で大石先生の夫が乗り込んでいる遊覧船とすれ違う。屋島城跡、金毘羅宮、栗林公園を観光。大石先生、高松の天ぷらやで働く松江と再会。
昭和16〜20年ごろ。竹一と磯吉が出征前に大石先生にあいさつに来る。男子5名全員出征。大石先生、病床のコトエを見舞う。
昭和20年。終戦。大石先生の夫、仁太、竹一、正、戦死。吉次、復員。磯吉、失明して復員。大石先生の末娘八津、腹をくだして死亡。
昭和21年。大石先生、再び岬の分教場へ。マスノの家で歓迎会。自転車のプレゼント。吉次、鯛を持ってくる。
○おまけ:小豆島には、この映画でロケをした「岬の分教場」がまだ残されていて、「二十四の瞳映画村」がつくられている。そこでは、常時この映画を上映している。(2014年10月の情報)
http://www.24hitomi.or.jp/

熱砂の秘密 FIVE GRAVES TO CAIRO
1943年 アメリカ 96分
監督:ビリー・ワイルダー
脚本:チャールズ・ブラケット、ビリー・ワイルダー
原作:ラヨス・ビロ「帝国ホテル」(戯曲)
出演:ジョン・ブランブル伍長/ポール・ダヴォス(フランチョット・トーン)、ムーシュ(アン・バクスター)、ファイド(ホテルの主人。エイキム・タミロフ)、ロンメル将軍(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)、シュヴェグラー中尉(ペーター・ヴァン・アイク)、セバスティアーノ将軍(フォーチュニオ・ボナノヴァ)
友人が録ってくれた録画で見る。「帝国ホテル」(1926年)のリメイク。
第二次世界大戦中のアフリカ。イギリス軍の伍長ブランブルは、ロンメル将軍が率いるドイツ軍に追われ戦車で逃走するが、仲間は戦死し、一人砂漠をさ迷って、エジプトの砂漠の町シディ・ハルフェイアのホテルにたどり着く。が、すぐにロンメル将軍率いる部隊がやってきてホテルに駐在する。
ホテルの主人でエジプト人のファイドと、フランス人メイドのムーシュの協力で、ブランブルは前夜の空襲で死んだ給仕のダヴォスになりすまし、難を逃れる。が、ダヴォスは、実はドイツ軍が送りこんだスパイだった。ブランブルは、ダヴォスの立場を利用して、ロンメルが進軍のために5年前に砂漠の5つの地点に埋めたドイツ軍物資の隠し場所を探ろうとする。
ムーシュは、フランス軍を置き去りにしたイギリス軍を憎みつつも、ブランブルをかばう。彼女は、ダンケルクで捕虜になった弟の救命のため、ロンメルの部下である若い中尉シュヴェグラーに近づく。
ブランブルがホテルを訪れて物陰に隠れているときは、いつドイツ軍にみつかってしまうのかというサスペンスが、ダヴォスになりすましてからは、いつ正体がばれるかというサスペンスが常につきまとうのだが、そんな中にあって、従業員の部屋で仕切り越しにムーシュと話をしたり、巨漢で歌好きのイタリア人将校と愉快なやりとりを交わしたりと、ロマンチックな場面やユーモラスな場面も挿入されていて、ほっとする。捕虜となったイギリス軍の将校たちとドイツ・イタリア人将校たちとがともに食事をし、敵味方が同じテーブルで穏やかに戦況の話をするう様子など、興味深く見た。
ヒントとなるT・P・Yのアルファベットと地図からブランブルが物資の隠し場所を発見するところは、宝探しの謎解きのノリで、今だったら地図の写真を撮れば済むものを、薄手の椅子のカバーをちぎってトレースするのが面白かった。
最後はハッピーエンドだと思っていたのでショックだった。日傘が悲しい。(2013.10)

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